【ドイツ語で電話⁈】アルファベットはフォネティックコード(通話表)で伝えよう!

ドイツ語で電話をしているとき、「では、お名前を教えてください」と聞かれて名前を答えた後、ほぼ確実に聞かれるアルファベットでの綴り方。「C(ツェー)」と答えたところ、「C、それともZ」と聞き返されて、「アルファベットの前から3番目の!」なんて返答した経験はありませんか。

そんな時に、発音が悪かったのか、とあまり落ち込むことはありません。ドイツ人だって、アルファベットを正しく伝えるのに苦労することもあるのです。そんなときのために使われているのが、「フォネティックコード」です。

「フォネティックコード」を使えば、発音が上手にできない人でも正しくアルファベットを伝えられます。

今回はフォネティックコードとドイツ語のアルファベットの伝え方を紹介します。

「フォネティックコード」とは?

「フォネティックコード」とは通話表のこと

「フォネティックコード」とは日本語では「通話表」とも訳されていて、アルファベットを正しく伝えるときに使われる文字のことです。

電話など口頭でアルファベットを一つ一つ伝えるときに使われています。

「フォネティックコード」は様々な言語で利用されている

「フォネティックコード」は様々な言語で利用されています。ドイツ語はもちろん、英語でも「A」を「Alfa(アルファ)」の表現にするなど、言語によってそれぞれのフォネティックコードがあります。

ドイツ語のフォネティックコードと使い方

ドイツ語のフォネティックコードは人名が多い

早速、ドイツ語のフォネティックコードを紹介します。ドイツ語圏でも、ドイツ国内とスイスなど、国によっても違うのですが、ここではドイツ国内で主に使われているフォネティックコードを紹介します。たくさんの人名が使われていますが、言い換えれば、これらの名前は古くからよく使われている名前だと解釈することができるでしょう。

フォネティックコードとして使われている言葉の意味も併せて記載しますので、参考にしてみてください。

ドイツ語のフォネティックコード

アルファベットフォネティックコード読み方(カタカナ)※1意味
AAntonアントン男性の名前
ÄÄrgerエルガー名詞「怒り」
BBertaベルタ女性の名前
CCäsarカエザル男性の名前。ジュリアス・シーザーが語源かも。
CHCharlotteシャルロッテ女性の名前
DDoraドーラ女性の名前
EEmilエミール男性の名前
FFriedrichフリードリッヒ男性の名前
GGustavグスタフ男性の名前
HHeinrichハインリッヒ男性の名前
IIdaイーダ女性の名前
JJuliusユリウス男性の名前
KKaufmannカウフマン名詞「営業マン、商人」
LLudwigルードヴィヒ男性の名前
MMarthaマルタ女性の名前
NNordpolノルドポール北極
OOttoオットー男性の名前
ÖÖkonomオコノーム名詞「農家」「経済学者」
PPaulaパウラ女性の名前
QQuelleクエレ名詞「泉」
RRichardリヒャード男性の名前
SSamuelサミュエル男性の名前
SCHSchuleシューレ名詞「学校」
ßEszettエスツェット「ß」のドイツ語の読み方
TTheodorテオドール男性の名前
UUlrichウルリッヒ男性の名前
ÜÜbermutウーバームート名詞「悪乗り」「大はしゃぎ」
VViktorヴィクトール男性の名前
WWilhelmヴィルヘルム男性の名前
XXanthippeクサンティッペソクラテスの妻の名前。口うるさい女という意味も。
YYpsilonイプシロン「Y」のドイツ語の読み方
ZZachariasツァハリアス男性の名前

※1:読み方(カタカナ)は、ドイツ語の発音でカタカナに近い音を表記しています。日本語にはない発音がドイツ語にはありませんので、参考程度にご覧ください。

フォネティックコードの使い方➀「A wie Anton」のように使う

ドイツ語でフォネティックコードを使いアルファベットを伝えるときは、「A wie Anton」のように使います。

日本語でしたら、「あ」を説明するときに「朝日の「あ」」のように表現するのと似ています。「A wie Anton」とは、「アントンのA」と訳せるでしょう。

「A」と「Anton」を繋いでいる「wie」という単語は、「例えば~のような、みたいな」や「~のように」と訳される「たとえ」を表す従属接続詞です。

<例>
ばどほんのばど「Bad」は、„B wie Berta, A wie Anton und D wie Dora“と表現します。
カタカナに直すと、「べー ヴィー ベルタ、アー ヴィー アントン ウンドゥ ディー ヴィー ドーラ」といった感じでしょうか。

フォネティックコードの使い方②フォネティックコードを続けて読み上げる

フォネティックコードの使い方として、フォネティックコードを次々と読み上げていくという方法もあります。

例えば、「Bad」なら、„Berta, Anton, Dora(ベルタ、アントン、ドーラ)“です。こちらの方が前述した「wie」を使ったいい方よりも簡単ですが、相手が聞き取りやすいように言葉と言葉の間を区切って、はっきりと発音することを意識したほうがいいでしょう。

電話をする前にフォネティックコードの準備を

フォネティックコードとは、電話など口頭でアルファベットを綴るときに使われる記号として利用される言葉です。

ドイツ語で電話をするときに、予め自分の名前などをアルファベットで読み上げることが予想されるときなどは、電話をかける前にフォネティックコードの表を手元に用意しておくといいでしょう。

でも、いつかフォネティックコードを暗記してしまえると便利ですね。