【2023年】ドイツの「イースター休暇」は?全祝日の意味と日付が毎年違う理由

2023年の「イースター休暇」は4月7日~10日までの4日間。学校はその前後で数週間休みます。日本では「春休み」と呼ぶかもしれないこの春先の休みですが、ドイツ語では「Osternferien」、つまり「イースター休暇」と呼びます。

では、そもそも「イースター」とはどんな意味があるのでしょうか。

今回は、2023年の「イースター休暇」の日付けと「イースター」の意味のほかに、イースター休暇が毎年違う日づけになっている理由を解説します。

2023年の「イースター休暇」と祝日の意味とは?

2023年のイースター休暇は4月7日~10日

2023年のイースター休暇は、4月7日(金)~10日(月)です。そのうちの祝日は、4月8日を除く3日間です。

2023年のイースター休暇

  • 4月7日(金):「聖金曜日」
  • 4月9日(日):「復活祭」
  • 4月10日(月):「イースターマンデー」

【イースター休暇】各祝日の意味とは?

「聖金曜日」とは「イエス・キリストの死を想う日」

「聖金曜日」とは「イエス・キリストの死を想う日」です。この聖金曜日にイエスキリストはユダヤのローマ総督であるポンテオ・ピラトによって死の宣告を受けて、ゴルゴダの丘の上で十字架に磔(はりつけ)にされました。

また、イエス・キリストが十字架に磔にされたとき、イエス・キリスト以外にもあと2人が同罪を受けて、その二人もイエス・キリストに並んで十字架にかけられています。

聖金曜日の教会での礼拝は、午後3時から始まります。なぜならイエス・キリストは聖金曜日の始まりから15時間後、つまり午後3時に亡くなったとされているからです。この時から復活祭、つまり日曜日の夕方までは喪に服する時間となるため、静かに過ごすことになります。教会では花やろうそくを飾られることもありません。

十字架に磔にするという刑罰は広く知れ渡っていた

罪人を十字架の柱に磔するという刑罰は、古代より広く知られている処刑の手段でした。罪人は十字架につけられるだけでなく、槍で刺し殺すというのが処刑方法です。

「聖金曜日」はドイツ語で「Karfreitag」

「聖金曜日」はドイツ語で「Karfreitag」です。「Kar」とは「嘆き」「不幸」「喪」を意味していて、「Freitag」は金曜日です。

「復活祭(イースター)」とは「イエス・キリストの復活を祝う祭り」

「復活祭」とは「イエス・キリストの復活を祝う祭り」です。ただ日本語では「復活祭」の英語表現である「イースター(Easter)」という言葉のほうが慣れ親しまれているかもしれません。

キリスト教では、十字架につけられて死んだイエス・キリストがその3日後に復活したと考えられています。そのキリストの復活を祝うのが「復活祭」で、毎年、聖金曜日から数えて3日後の日曜日になっています。

復活祭はキリスト教者にとってイエス・キリストの誕生を祝うクリスマスと同等またはそれ以上に大切な日です。

聖書からのエピソード「イエスの復活は天使によって告げられた」

聖書にあるマタイの福音書によれば、十字架で亡くなったキリストは、岩穴に葬られました。それから3日した早朝、地震が起きて岩穴をふさいでいた大きな石が転がり墓の入り口が解放されました。

そこに天使が現れて、キリストが復活したことをキリストの墓を訪れていたキリストを愛する女たちに告げます。確かに墓の中にはキリストの姿はなく、その代わりキリストの身体に巻かれていた亜麻布だけが残されていました。

「復活祭」はドイツ語で「Ostersonntag」

「復活祭」はドイツ語で「Ostersonntag」です。イースターを意味する「Ostern」に、日曜日を意味する「Sonntag」が付いています。ただし、「Ostersonntag」では、「Ostern」の語尾の“n”がなくなっていることに注意です。

「イースターマンデー」とは「2人の弟子がイエス・キリストに出会った日」

「イースターマンデー」とは「復活祭の翌日の月曜日」という意味ですが、キリスト教ではこの日も大切な日だと考えられています。なぜなら、イースターマンデーに2人の弟子がイエス・キリストに出会ったからです。

それから次々とイエス・キリストはほかの弟子たちの前にも姿を現していきます。

「イースターマンデー」はドイツ語で「Ostermontag」

「イースターマンデー」はドイツ語で「Ostermontag」です。イースターを意味する「Ostern」と日曜日を意味する「Sonntag」から成り立ちます。

なぜ毎年イースターは違う日づけなの?

イースターは春分の日と関係しているから

「イースター」はキリスト教歴で、春分の日以降の最初の満月になってから迎えた日曜日を、イースター休暇の中心となる復活祭(イースター)としています。春分の日が毎年違うため、イースターの日付けも毎年違います。

「春分の日は夜と昼の長さが同じになる春の日」ですが…

春分の日は昼と夜の長さが同じになる日ということですが、実際には昼の方が少し長くなっています。

イースターは3月22日~4月25日の間の日曜日

イースターはその年の春分の日のあとの満月後の日曜日で、毎年3月22日~4月25日の間になります。

春分の日は3月19日~22日のいずれかの日です。またその後に迎える満月の夜も毎年違うことから、イースターの日付けは毎年大きく変わります。イースターが最も早い年と遅い年とでは、一か月以上も違います。

まとめ

「イースター」はイエス・キリストが復活することを祝う祝日です。金曜日から月曜日まで祝われますが、毎年その日付が違うのは春分の日を基準にしてイースターの日付が決められるからです。

私の住むヘッセン州では、2023年のイースター休暇は3週間もの長い休暇になりました。日本に一時帰国される方も多いのでは?なかなかこんなに長い休みになることは少ないので、長いイースター休暇を楽しみましょう