【風邪の治し方】ドイツ人は「ビール」で風邪を治す⁈その効果と飲み方・注意点も紹介

„Trink doch ein warmes Bier. Das hilft!“「ホットビールを飲みな。助けてくれるぞ!」

これは、ドイツで風邪を引くと聞かれるフレーズです。ドイツには風邪を引くとビールを温めて飲むという習慣があります。

私はこの習慣のことを聞いた時、とても驚きました。
ビールは冷たくして飲むものという思い込みがあっただけでなく、病気をしているときにビールを飲むという発想が理解できなかったからです。

しかしこの「風邪の時は温めたビールを飲む」という習慣のことは以前から気になっていました。

そこで今回は、風邪の時にホットビールを飲むことでどんな効果があるのかを調べてみましたので紹介します。またホットビールのおすすめの飲み方のほかに、ホットビールがアルコール飲料だからこその注意点もお伝えします。

ドイツで風邪をひいたときの民間療法「ホットビール」とは?

ホットビールで体を温め眠りやすくなる

ドイツ人が風邪をひいたときにホットビールを飲む習慣を説明する前に、思い出してほしいのが「たまご酒」です。日本でも風邪の時にお酒を飲む習慣がありました。

「たまご酒」とは一昔前まで風邪の時に飲むといいと言われていた飲み物で、温めた日本酒に卵を加えて飲みました。
どうして玉子酒が生まれたのかと言うと、卵によって栄養を取り、温めたアルコールで体を温める狙いがあったからです。

ドイツ人の「ホットビール」もこれと似た発想のようです。

「ビール」はビタミンやミネラル類を豊富に含んだ栄養価の高い飲み物です。
また、ホップや麦芽に含まれる苦み成分と油分が、落ち着かせて睡眠を促す効果もあるそうです。アルコールは抗菌性があるという点でも対風邪の効果が期待されます。

ビールはアルコール飲料なので、ホットビールにして飲めば体も温まりやすくなり、風邪の時にはいい飲み物だと言われているのです。

「ホットビール×はちみつ」で最強の風邪対策の飲み物に

ホットビールは炭酸が抜けて、口当たりもやわらかな感じに。これなら風邪で弱っているときでも飲めそうです。

実際に、風邪気味の時に飲んでみましたが、炭酸が弱まるだけでなく、苦みも抜けたようで飲みやすいです。ただ冷えたビールが好きな私には、「ビール」だと思って飲むと残念な気分に。そのためこれはビールではなくお薬だと思いながら飲みました。

ビールを温めただけでも飲みやすくなりますが、「はちみつ」を入れれば、より風邪の時に利く飲み物に変身します

「はちみつ」は抗菌性のある食品で、ウイルスなどの感染を抑えるための保護バリアも作ってくれることで知られています。

ビールにはちみつと聞くと気持ち悪く感じるかもしれませんが、ドイツには「ラドラー」があるじゃありませんか!あのビールとレモネードを1;1で割ったビールのカクテルです。
ラドラーを思い出せば、あの味かと想像しやすくなると思います。

「ホットビール×はちみつ」、味としては悪くないチョイスですよ。

ホットビールは電子レンジで簡単に作れる

伝統的にはホットビールは鍋で作るようですが、簡単なつくり方は電子レンジを使った作り方です。

耐熱性のマグカップなどにビールを入れて、電子レンジでチンするだけ。風邪の時には少量を飲まれるでしょうから、500wの電子レンジなら1分もかかりません。

風邪の時にホットビールを本当に飲んでいいの?

風邪の時のアルコール飲料はNG

では、そもそも風邪の時にアルコール飲料を飲んでいいのでしょうか。

この答えは、NO!です。

アルコール類を飲めば、血流が早くなり頭痛がひどくなり、肝臓に負担がかかることで疲労感が増すことが考えられます。また、免疫力も落ちていることも手伝って、体力がさらに落ちることもあります。

風邪薬との相性となっては最悪で、ひどい吐き気が襲ったり、眠気が襲ったりして事故につながることもあります。

つまり、風邪の時には飲酒をしないというのが基本のルールです。

ホットビールは少量がおすすめ

アルコール飲料は、風邪などの病気の時におすすめできる飲み物ではありません。特に薬との飲み合わせは危険です。

しかし、ホットビールは風邪の時にいいからと習慣的に飲んでいるドイツ人も多くいます。

では、私たちがホットビールを飲むときには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

ポイントは次の5つです。

  • 風邪薬を飲まないことを前提にしているときにだけ、ホットビールを飲む。
  • 風邪の初期療法として、ホットビールを飲む。
  • ホットビールを飲む量は、少量で。(スプーン1杯でもいいという説もあり)
  • 発熱しているときにはホットビールは飲まない。
  • 子どもや妊婦など、アルコール摂取が推奨されない人たちは飲まない。

上記のポイントを守り、体調を考えながら少しずつホットビールを飲むようにしましょう。

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風邪のときのホットビールは気をつけながら飲んでみよう

ドイツで言われる風邪の時のホットビール。風邪にかかっているときに、アルコール飲料を決してすすめられませんので、少量をよく温めて飲むのがいいでしょう。

この風邪の時のホットビールは、ドイツ人が風邪にかかっても風邪薬を飲む習慣がないことから広まった習慣ではないかと推測されます。

風邪薬と併用してホットビールを飲むことなく、またホットビールを飲むときの注意点も守って飲んでみてください。

読者さん

そんなに面倒なら飲むことないんじゃない?

ばどほん

まあ、それを言ってしまったら、身もふたもない話でして…

ただ、ドイツ人の習慣に風邪の時のホットビールを飲む習慣があるということを知っていても損はないでしょう。
実際にホットビールを飲むか飲まないかは、好奇心次第ということで。

 

最後までお読みくださってありがとうございました。では、また!