2023年のカーニバルはいつ?「11」が持つ特別な意味を解説

2023年の「女性のカーニバル」または「女性のためのカーニバル」などと訳され(Weiberfastnacht )は、2月16日から始まります。でも、カーニバルはすでに昨年の11月11日から始まっていて、と、なんだか日にちがややこしいカーニバル。

今回は、2023年のカーニバル期間と、カーニバルが始まる11月11日のこと、さらには11が持つ特別な意味についても説明します。

「11」と「カーニバル」の関係について詳しく掘り下げていきましょう。

2023年のカーニバルはいつ?

2023年のカーニバルは「2月16日」から始まる

2023年のカーニバルは2月16日11時11分から始まり、「Weiberfastnacht(女性のカーニバル)」と呼ばれています。

「Weiberfastnacht(女性のカーニバル)」の由来は、週末でも暇な田舎の女性が楽しむカーニバルという皮肉めいた意味合いが含まれているうえに、「Weib」という言葉は「女性」を意味しているのですが、現代では差別的な用語として使われていることもあり、「Weiberfastnacht」という表現はあまり聞かれないかもしれません。

「バラの月曜日(Rosenmontag)」が最高潮に盛り上がる

カーニバルの最高潮となるのが「バラの月曜日(Rosenmontag)」で、2023年は2月20日です。なぜバラの月曜日が盛り上がるのかというと、この日には本来なら禁じられているタブーなどが許されるからです。

キリスト教を信じる人の中でも特にカトリック派の人にとってバラの月曜日は意味があり、年に一度のこの日だけは、教会が罪だとしていることを揶揄してもて遊んだり、戒律を守らずに羽目を外したりすることも許されています。

「灰の水曜日(Aschermittwoch)」でカーニバルは終わる

カーニバルが終わりとなるのが、「灰の水曜日(Aschermittwoch)」です。バラの月曜日の2日後に訪れる「灰の水曜日」は、イエス・キリストの受難を覚えて死を想起する日で、カトリック派の教会では額に灰で十字をしるしを付ける儀式が行われます。この儀式から、「灰の水曜日(Aschermittwoch)」と名づけられました。

「灰の水曜日(Aschermittwoch)」はイースター前の46日目の水曜日で、四旬節の1日目になります。この「灰の水曜日(Aschermittwoch)」からクリスチャン(キリスト教の信者)は40日間の断食が始まります。

そもそも「カーニバル」の意味とは?

カーニバルとは「断食前のお祭り」

カーニバルとは「クリスチャンの断食前のお祭り」です。イースターを迎える前の四旬節では肉を食べることを禁じられることから、その前に肉を食べたり羽目を外したりなどして楽しむためのお祝いです。

リオのカーニバルが有名ですが、派手な衣装を身に着けて歌ったり踊ったりして祝います。ドイツのケルンで開かれるカーニバルでは、さまざまな山車が列をなして街と通り過ぎ、紙吹雪が舞い散る中、コスチュームを着た人々が”Helau(「ヘラウ」)”や”Alaaf(「アラフ」)”などと言いながら街を練り歩きます。

四旬節前で静かに過ごす日々が目の前に迫っているからこそ、人々は大騒ぎをするのです。

「四旬節」とはイースターまでの40日間の断食の期間

「四旬節」とはイースターまでの40日間の断食の期間です。この期間は、イエス・キリストの受難と死を思い起こす期間であることから、肉を食べることを禁じ、さらにお酒を飲んだりして大騒ぎをするようなことも禁止されます。嗜好品を避けることで、イエス・キリストのことを想い、イースターまでのイエス・キリストの復活を待つ準備をします。

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カーニバルと深い関係のある「11」の意味とは?

カーニバルは毎年11月11日に始まる

カーニバルは毎年11月11日11時11分に始まります。「11」が並ぶこの日とこの時間がなぜ特別なのかについては、はっきりとした解説は見つかっていません。

ただ「11」という数字は、「1」と「1」が並んでいることから、「誰もが同じ、誰もが一緒」というイメージが想起させられるから、身分の差などなく誰もが一緒に祝うカーニバルという主旨に繋がったという説があります。

「11」が数字の中で「どうしようもない数字」とも考えられていた

また中世のころには、「11」をつかみどころのない「どうしようもない数字」と考えられていたこともありました。

当時は、聖マーティンの11月11日からクリスマスまで断食の期間が設けられていて、その前に楽しもうとする人々の気持ちが、「11」に特別な思い入れをしたという経緯があると考えられます。

さらに「11」は同じ数字が2つ並んでいるというだけで格好がよくないのに、きりも良くない両手全部の指を使っても11は数えられない上に、キリスト教の12使徒には「1」足りないし、ましてや「11」にはキリスト教的な特別な意味合いもない奇数だから2で割ることもできないなどなど、と踏んだり蹴ったりな言われようを「11」という数字はされていたようなのです。

こうしたことから「11」はどうしようもない数字、くだらない数字というレッテルを張られてしまいました。

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まとめ

11月11日に始まるカーニバルは、翌年のイースターから40日前の3日間から1週間の間に祝います。四旬節を前に、羽目を外しておこうというのがカーニバルの始まりで、キリスト教でもカトリック派が強い地域で大きなお祭りやパレードが行われます。

「11」を「くだらない数字」だと考えられ始めたのは中世のころで、「11」にまつわる「くだらない」というイメージからカーニバルは11月11日11時11分に始まるのが習わしになっています。