ドイツの祝日「Fronleichnam(聖体祭)」の意味とは?由来と「聖体行列」も

2021年6月3日は、ドイツの6つの州で「Fronleichnam(聖体祭)」の祝日です。この記事では「Fronleichnam(聖体祭)」の意味と由来、限られた州だけで祝日になっている理由のほかに、お祝いの仕方なども解説します。
ドイツの一部の州では祝日になっている「Fronleichnam」「Fronleichnam」とは「聖体祭」のことで、キリスト教の西方カトリックの祭日です。
でも「Fronleichnam」や「聖体祭」と言われても、何のことなのか、よくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで「Fronleichnam(聖体祭)」の2021年の日付や祝日となる州の他に、「Fronleichnam(聖体祭)」の意味や由来などを解説します。

【この記事をおすすめの方】
〇 「Fronleichnam(聖体祭)」の意味とお祝いの仕方などを知りたい方
〇 ドイツ語の「Fronleichnam」の意味を知りたい方
〇 「Fronleichnam(聖体祭)」が毎年違う日程になる理由を知りたい方

2021年の「Fronleichnam(聖体祭)」はいつ?

2021年6月3日が「Fronleichnam(聖体祭)」

今年2021年の場合は、6月3日が「Fronleichnam(聖体祭)」の祝日です。

Brückentagで6月4日も学校などは休み

「Fronleichnam(聖体祭)」の祝日が木曜日のため、週末への架け橋となる金曜日が「Brückentag」(直訳「橋の日」)となり、学校や一部の会社もお休みになります。

週末まで合わせると4連休になるので、この機会を使って泊りがけの旅行などをする人が多いです。

ばどほん

我が家では、土曜日に子供たちが補習校に通っているので、連休にならないんですけどね…

「Fronleichnam(聖体祭)」が祝日になる州とは?

バイエルン州やヘッセン州など6つの州

「Fronleichnam(聖体祭)」はドイツ全土で祝日になるわけではありません。キリスト教のカトリック派の影響が強い州で祝日になります。

「Fronleichnam(聖体祭)」が祝日になる州

  • バイエルン州
  • ヘッセン州
  • バーデン・ヴュルテンベルク州
  • ノルトライン・ヴェストファーレン州
  • ラインラント・プファルツ州
  • ザールラント州

「Fronleichnam(聖体祭)」の意味と由来とは?

「Fronleichnam(聖体祭)」とは聖体を崇拝するお祝い

「聖体祭」とはイエス・キリストを意味する聖体を崇拝するお祝いです。キリスト教でも西方カトリックが祭日としていて、ほかには一部のルーテル派やリベラル・カトリック教会などで祝われています。

1247年にベルギーにあるバシリカ聖マーチン教会(Basilika St.Martin)で祝われたのが発祥です。
【ドイツの初めての聖体崇拝】
1273年にバイエルンのベネディクトバウアーン(Benediktbauern)という自治体で聖体崇拝の行列が行われたという記録が残されています。

「聖体祭」は最後の晩餐に由来

「聖体祭」は、最後の晩餐として知られるキリストが十字架にかけられる前の晩に、弟子たちにパンとワインを自分の体と血だと言って分け与えたことに由来しています。

パンという形態にキリストの体を象徴することから、聖体を礼拝の対象にするという信仰方法が始まり、儀式化されていったという経緯があります。

「Fronleichnam(聖体祭)」の典型的な祝い方とは?

「聖体行列」

「Fronleichnam(聖体祭)」のお祝いで有名な儀式に「聖体行列(Fronleichnamsprozession)」があります。

「Himmel(意味は「空」)」と呼ばれる天幕の下に、聖職者や助祭司が聖体顕示台(Monstranz)と呼ばれる台を手に行列を率いて街中を歩きます。

独特な聖体行列

地域によっては独特な聖体行列を行っているところもあります。

  • 船の聖体行列:船を使って街中を流れる川を行列する聖体行列。ケルンのミュールハイム(Mülheim)など比較的多くの地域で行われています。
  • 馬の聖体行列:馬と一緒に聖体行列を行います。行列を率いる馬の馬具などに花などを飾り付けることがあるでしょう。

お花を使った装飾

Fronleichnam(聖体祭)でよくある飾りつけとして、花を使った装飾があります。

聖体行列が行われる道に花を引き詰める「フラワーカーペット」や、キリストなどの聖職者の絵などの花のデコレーションなどです。

ドイツ語「Fronleichnam」の意味とは?

「Fronleichnam」は「主」と「体」という意味

聖体祭を意味する「Fronleichnam」という言葉は「Fron」「Leichnam」という2つの言葉から成り立っています。

「Fron」と「Leichnam」のそれぞれの意味

  • 「Fron」
    中高ドイツ語の「vrône」が語源 = 現在のドイツ語「Herr」。
    その意味は「主」。
  • 「Leichnam」
    中高ドイツ語の「lîcham」が語源 = 現在のドイツ語「Leib」。
    その意味は「体」。

「Fronleichnam」の「主の体」とは、イエス・キリストのことを指しています。

「Fronleichnam(聖体祭)」は年によって日づけが変わるって本当?

「聖体祭」は毎年、日づけが違う「移動祝日」

「Fronleichnam(聖体祭)」は年によって日付が変わる「移動祝日」です。

「Fronleichnam(聖体祭)」が早い年では5月下旬ですが、遅い年だと約一か月後の6月下旬になることもあります。

聖霊降臨祭あとの2回目の木曜日

「Fronleichnam(聖体祭)」がいつになるのかというと、「聖霊降臨祭あとの2つ目の木曜日です。つまり「Fronleichnam(聖体祭)」は必ず木曜日になります。

そして、その年の聖霊降臨祭(ドイツ語では「Pfingsten」)の日曜日を基準にして、2回目の木曜日が「Fronleichnam(聖体祭)」になります。

イースターから始まる移動祝日

ドイツの春先には移動祝日が4つもあります。

  • イースター(Oster)
  • キリスト昇天祭(Christi Himmelfahrt)
  • 聖霊降臨祭(Pfingsten)
  • 聖体祭(Fronleichnam)

これらの祝日の日付は、イースターを基準に決められています。

ばどほん

例えば、聖霊降臨祭はイースターから50日目です。

「イースター」は春分の日のあとの満月後の日曜日

移動祝日の基準となる「イースター」は春分の日の後の満月になってから、最初の日曜日です。

しかし、この春分の日や満月は天文学的に見出されるのではなく、キリスト教の教会歴をもとに計算されています。

その計算によると、毎年のように違う日付が算出されるため、毎年違う日付になるのです

キリスト教が由来の「聖体祭」はキリストを祝う祝日だった…

「Fronleichnam(聖体祭)」はバイエルン州やヘッセン州などのドイツでは6つの州だけで祝日になっています。キリスト教の習慣による祝日なので、その意味を知れば知るほど、腑に落ちないこともあるかもしれません。

そんな時こそ、行動が大切。例えば、ご近所を散歩して花が飾られているのを見て聖体祭とのことを思い出してみてもいいですし、聖体行列などがお近くで行われているのであれば、ぜひ見に行ってみてください。この祝日の意味を体感することで、納得がいくことが見つかるかもしれませんよ。