ドイツの祝日が毎年違う理由とは?4つの不便に思うことと解消法

この記事では、ドイツの祝日が毎年違う理由や、祝日になると不便になる4つのことを解説します。

ドイツの祝日が毎年違うことのお気づきですか。

そういえば去年のイースターは、4月の中旬だったはず…。

でも今年2021年は4月の第1週の週末がイースター休みでした。

このようにドイツには毎年日付が違う「移動祝日」があるのですが、なぜでしょうか。

この記事では、祝日が毎年変わる理由のほかに、祝日で不便なこととその解消法やメリットも紹介します。

【この記事をおすすめの方】

  • ドイツの祝日がなぜ毎年違うのかを知りたい方
  • ドイツの祝日が毎年違ってイライラしている方

ドイツの祝日が毎年違う理由とは?

キリスト教にちなむ祝日は年によって変わる

ドイツの祝日には年によって日付が変わる「移動祝日」があります。日本でも「移動祝日」はあり、例えば「成人の日」のようにその月の第〇日曜日のように祝日の日付が決められていると、毎年日付が違います。

ドイツの移動祝日の日付が毎年違う理由は、イースターが春分の日のあとの満月直後の日曜日と定められているからです。

この復活祭の日程は、西暦325年、ローマ帝国の皇帝だったコンスタンティヌ帝が主催したニケア会議で定められました。

春分の日は、天文学的には毎年少しずつずれているのですが、キリスト教では春分の日は3月21日と決められているので、春分の日が原因でイースターの日付が変わるわけではありません。

春分の日以降に来る「満月」が天文学的な月の満ち欠けとは関係ない「教会歴」により算出されることと、さらに、それに続く日曜日と決められているので、年によって日付が違うのです。

また、カトリックやプロテスタントの西方教会系はグレゴリオ暦、東方正教会系はユリウス暦と違う教会歴を採用しているので、教会によっても祝日の日付けが変わってきます。

  • イースター休暇の3日間
  • キリスト昇天祭
  • 聖霊降臨祭の月曜日
  • 聖体祭

ドイツの祝日で不便なことと解消法は?

州ごとに祝日が違う

ドイツ全土で祝日となる日がある一方で、州ごとに決められた祝日があるので、あっちの州が祝日でも、こっちの州では祝日ではないという日があります

日程調整は入念に

ビジネスシーンで州を越えて取引している場合には、取引先のある州の祝日を確認することも大切です。

州をまたぐ旅行でも同じで、せっかく旅行に行っても祝日でお店が閉まっているということもあるので、州ごとの祝日をチェックすることをお忘れなく。

夏休みが州ごとに違う

ドイツでは州ごとに夏休みの始まる日が違います。夏休みの期間は6週間とどの州でも同じですが、夏休みが早く始まる州は6月下旬に始まり、遅い州では7月下旬になり、1カ月の差があります。

また夏休みが始まる日も毎年のように変わります

州ごとに夏休みの始まる日が違う理由

理由①:渋滞が回避できる

全国一律で夏休みを取ってしまうと、バカンスを過ごすための移動で高速道路や電車が混雑してしまうので、混雑を避けるために夏休みの開始時期がずらされています

理由②:ホテルなど宿泊施設の予約が取りやすくなる

全国で夏休みを取る日程が違うことで、旅行業者にとってハイシーズンが長くなります。ドイツのどこかで夏休みを取っている日数を合わせると86日間にもなります。

この長い夏休み期間は旅行者にとってもメリットがあり、ホテル等の宿泊者が分散されるので、宿泊予約が取りやすくなります。

夏休みの始まりが違うことで渋滞が減り、ホテルの予約も取りやすくなるメリットを活用すれば、夏休みのバカンスの計画も立てやすくなります。

祝日と日曜日にお店が閉まる

日本から来たばかりの頃にかなり不便な思いをしたのが、祝日と日曜日にお店が閉まることです。休みの日にショッピングはできないし、生活必需品の野菜などの食品を買いたくてもスーパーすら開いていません。

開くのは、ガソリンスタンドとパン屋だけ。パン屋も午前中だけ開店してお昼には閉まります。

平日に忙しくしている人は、いつ買い物に行くの?

こうした事情から、ドイツで店が混みあうのは金曜日の午後から土曜日にかけてです。

法律で休日に閉店することが決まっている

なぜ日曜日に店が休みかというと、キリスト教の影響から日曜日は安息日なので、誰もが休まなくてはならないからです。

この安息日をベースに「閉店法(Ladenschlussgesetz)」という法律が施行されています。この法律では、日曜日だけでなく祝日もお店は閉店しなくてはならないことを定めています

最近ではこの法律による規制が緩和されて、1年に1回か2回、日曜日にお店が開くこともあります。

祝日ではないのに12月24日と12月31日は半日営業

12月24日はクリスマスイヴ、そして12月31日は大晦日で祝日ではありません。そのため閉店こそしていないのですが、ほどんどのお店が昼までの営業です。

その理由はよくわからないのですが、クリスマスイヴや大晦日は店も早く閉めて店員も早く家に帰るべき…だと考えられているようです。
ばどほん
この点に疑問を持つドイツ人は少ないようで、友人に聞いても「仕方ないよね」という声が返ってきました。

12月24日と31日にお買い物を予定している場合は、お店の営業時間を事前にチェックしておきましょう。

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