【ドイツ入国】陰性証明書は必要なの?リスク地域・隔離義務を解説【7月30日改正】

ドイツ在住の皆さまのなかには、夏休みに海外旅行に行かれる予定の方も多いはず。でも、スペインやオランダなどではコロナ感染が広がり、海外旅行に行けるの、行けないの、とやきもきされている方もいるでしょう。

ドイツ国外でコロナ感染者数が増加傾向にある国や地域があることを受けて、ドイツ連邦政府は海外旅行から帰ってくる人に対して、また新たにドイツに入国する方に対して、新しい国境管理に関する政令を、2021年7月30日に発表しました。この改訂された入国管理に関する規定は、8月1日より施行されます。

改正されたドイツ入国に関するポイントは3つです。

  • 陰性証明書の提示が入国手段に関わらず必須。
  • リスク地域の分類がVirusvarianten-GebietとHochinzidenzgebietの2種類になる。
  • 隔離義務の有無、隔離期間はドイツ入国前に滞在していたリスク地域によって異なる。

この記事では、7月30日に改正されたドイツ連邦政府の発表によるドイツ入国に関するルール改正について説明します。ドイツ在住で海外旅行に行かれる方は参考にしてみてください。

【この記事をおすすめの方】
〇 ドイツ在住でこれから海外旅行に行く方。
〇 ドイツに入国するときの規定を知りたい方。

陰性証明書の提示が義務化

陰性証明書は12才以上の人は必須

2021年8月1日以降のドイツ入国の際には、陰性証明書を提示しなくてはならないことになりました。

誰? 12歳以上の人
入国方法は? 陸海空路問わない。

7月31日までは空路によるドイツ入国者のみが陰性証明書を必要としていましたが、8月1日から入国手段に関係なく陰性証明書の提示が求められます。

「抗原検査」と「PCR検査」による陰性証明書が有効

ドイツ入国で認められる陰性証明書とは、「抗原検査」と「PCR検査」の検査結果による陰性証明書です。また、検査ごとに有効期間が変わります。

  • 「抗原検査」:ドイツ入国前の48時間以内
  • 「PCR検査」:ドイツ入国前の72時間以内

Virusvarianten-Gebietからドイツに入国する場合の「抗原検査」の陰性証明書の有効期限はドイツ入国前の24時間以内になりますので、気を付けてください。

2種類のリスク地域とその意味とは?

リスク地域の分類は2種類になる

8月1日よりリスク地域は次の2種類になります。

  • Virusvarianten-Gebiet:ウイルスの変異株が蔓延している地域
  • Hochinzidenzgebiet:ウイルス感染の発生率が高いリスク地域
これまでは「Risikogebiet(通常のリスク地域)」がありましたが、「Risikogebiet」という名称は使われなくなります。

「Virusvarianten-Gebiet」の意味と指定国

「Virusvarianten-Gebiet」とは「特定のウイルス変異株が蔓延している地域」という意味です。「Virusvarianten-Gebiet」として指定されている国は、次の2か国です。

  • ウルグアイ
  • ブラジル

(2021年8月1日現在)

「Hochinzidenzgebiet」の意味と指定国

「Hochinzidenzgebiet」とは「住民10万人につきウイルス感染者の数が200人を超えた国または特定の地域」という意味です。ロベルト・コッホ研究所は「Hochinzidenzgebiet」では新型コロナウイルスに感染しやすい地域だと説明しています。

「Hochinzidenzgebiet」として指定されている国は次の通りです。

  • アルゼンチン
  • アンドラ
  • イラン
  • インド
  • インドネシア
  • エクアドル
  • エジプト
  • エスワティニ
  • オランダ
  • オマーン
  • キプロス
  • キューバ
  • クウェート
  • グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国
  • コスタリカ
  • コロンビア
  • ザンビア
  • セーシェル
  • ジョージア
  • ジンバブエ
  • スーダン
  • スペイン(バレアレス諸島とカナリア諸島を含む)
  • スリナム
  • シリア
  • タンザニア
  • チュニジア
  • チリ
  • ナミビア
  • ネパール
  • パラグアイ
  • フィジー
  • ペルー
  • ボツワナ
  • ボリビア
  • ポルトガル
  • マラウイ
  • マレーシア
  • 南アフリカ
  • モザンビーク
  • モンゴル国
  • リビア
  • レソト
  • ロシア連邦

(2021年8月1日現在)

隔離義務はあるの?

Virusvarianten-GebietとHochinzidenzgebietに指定された国は46か国にもなり、この夏休みを使ってそれらの国に旅行に行かれる方もいるのではないでしょうか。

しかし、Virusvarianten-GebietとHochinzidenzgebietの指定国に旅行した後、またドイツに入国することはできるのでしょうか。

答えは、イエス。それらの指定国に旅行もできるし、ドイツに再入国することもできますが、一定期間の隔離が課せられます。ただし、リスク地域の種類によって隔離期間が変わるなど、隔離の内容に違いがあります。

ここではリスク地域からの隔離義務について見ていきましょう。

隔離義務などリスク地域次第で変動

隔離義務の有無、または隔離義務の期間は、どのリスク地域からドイツに入国するかによって変わります。

Virusvarianten-Gebietからのドイツ入国者は隔離期間「2週間」

Virusvarianten-Gebiet(ウイルスの変異株が蔓延している地域)からドイツに入国した場合には、陰性証明書の提示と隔離期間は2週間の義務が課せられます。

ワクチン接種をすでに終えている、または快復証明書を持っていたとしても、この隔離期間は変わりありません。

Virusvarianten-Gebietからのドイツ入国の際に提示する陰性証明書は、各検査によって有効期限が違いますので、ご注意ください。
  • 「抗原検査」:ドイツ入国前の24時間以内
  • 「PCR検査」:ドイツ入国前の72時間以内

Hochinzidenzgebietからのドイツ入国者は隔離期間「10日間」

Hochinzidenzgebiet(ウイルス感染の発生率が高いリスク地域)に指定された国や地域からドイツに入国した場合には、陰性証明書の提示と隔離期間は10日間の義務が生じます。

ただし、ワクチン接種証明書か、快復証明書を持っている場合には、陰性証明書の提示と隔離期間の両方の義務が免除されます。

Hochinzidenzgebietからのドイツ入国者への特別措置

Hochinzidenzgebietに指定された国や地域からドイツに入国した人のなかには、隔離期間が短くなるなどの特別措置もあります。その詳細は次の通りです。

  • 入国後5日目以降の検査結果が陰性になったら、隔離期間が短くなる。
  • 12才未満の子どもは、隔離期間は入国から4日目まで。5日後には終了する。

 

子どもも隔離義務は免除されない

隔離義務は成人や子どもなど年齢に関係なく、隔離義務は生じます。お子さんだからと言って、隔離義務がなくなるということはありません。

しかし、Hochinzidenzgebietからドイツに入国した場合には、12才未満の子どもの隔離期間は入国してから5日後に終わります。

まとめ

ドイツへの入国制限に関するルールが7月30日に改正されたことで、陰性証明書の提示が義務化されました。またリスク地域からの入国については、リスク地域の種類によって、提示する陰性証明書の有効期限や隔離期間も違うなど、細かく決められています。

海外旅行に行かれる場合は、旅先がリスク地域に入っているのかどうかを確認して、ドイツ入国制限のルールに従えるように事前に準備をしておきましょう。

新型コロナウイルスの感染状況により、リスク地域に指定される国や地域はその都度変わります。海外へ旅行される前や帰国前などでは、ドイツへの入国制限に変化がないのか、新しい規制が加わっていないのかなどをチェックすることをおすすめします。