【バレンタインデー】ドイツでは男性から愛を告白する日!人気のプレゼントや起源も解説

2月14日のバレンタインデーに、ドイツでは男性が愛を告白します。また、バレンタインデーのプレゼントにチョコレートという決まりがないのですが、ではどんなプレゼントを贈るのでしょうか。

今回は、ドイツでのバレンタインデーの過ごし方のほかに、バレンタインデーの起源も紹介します。日本のバレンタインデーでは女性から愛の告白をするのに、どうしてドイツでは男性が愛の告白するのか、その逆転劇の理由も見ていきましょう。

ドイツのバレンタインデーの過ごし方とは?

「バレンタインデー」は男性が愛の告白をする日

ドイツの「バレンタインデー」では、男性が愛の告白をします。女性から愛の告白をするのではなく、男性が愛するパートナーや恋人に、好きだという気持ちを伝えます。

愛の告白という観点からか、ドイツではバレンタインデーは大人が楽しむものです。子どもがするものではないという考え方があり、またバレンタインデーでプレゼントされたお返しをする「ホワイトデー」もドイツにはありません。

ドイツのバレンタインデーで人気のプレゼントとは「赤いバラ」

ドイツのバレンタインデーでは「赤いバラ」が定番で人気のプレゼントです。赤いバラが愛の象徴で、ロマンチックな印象もあるからでしょう。

他に人気のプレゼントは、ハートをモチーフにしたアクセサリーやカードなどです。ハート形のチョコレートも人気がありますが、バレンタインデーだからチョコレートを選んでいるわけではなく、ドイツ人がチョコレートを好きだからだと思われます。

小さな豚もバレンタインデーのプレゼントに

小さな豚もバレンタインデーのプレゼントには人気です。「豚」はドイツでは幸運を呼ぶものと考えられているためで、かわいらしくデザインされた小さい豚のお菓子やキーホルダーなどもプレゼントされることがあるでしょう。

ドイツ語でバレンタインデーは「Valentinstag」

ドイツ語でバレンタインデーは「Valentinstag」です。「バレンタイン(Valentin)の日(Tag)」という意味で、「ヴァレンティンスターク」のように発音します。

そもそも「バレンタインデー」の起源とは?

聖ヴァレンティヌスが愛の大切さを伝えた

バレンタインデーは、聖ヴァレンティヌスの伝説を起源にしていると言われています。

聖ヴァレンティヌスは3世紀ごろにローマに住んでいたカトリックの司祭でしたが、その時代、多くのローマ人がキリスト教徒へと改宗していく中で、皇帝クラウディウス2世は異教徒でした。クラウディウス2世はキリスト教徒と迫害するために厳しい法律を作り、ローマ兵はローマへの忠誠を誓い、結婚は禁止するように命じました。この法律に反して、聖ヴァレンティヌスはローマ兵を密かにキリスト教の儀式を行い結婚させたのです。

このようにして聖ヴァレンティヌス愛の大切さを伝える勇気ある行為を行ったことから、のちに親戚への好意や愛情、友人との友好関係を表す日、また愛を告白する日としてバレンタインデーが祝われるようになりました。

2月14日は聖ヴァレンティヌスが処刑された日

聖ヴァレンティヌスは皇帝クラウディウス2世に逆らい結婚の儀式を行ったため、監獄に入れられてしまいました。そして270年2月14日、聖ヴァレンティヌスが処刑されたことから、2月14日がバレンタインデーになったのです。

ちなみに、聖ヴァレンティヌスについては、投獄中に盲目の少女に出会い、処刑前に愛のメッセージを送ったというエピソードも残っています。

バレンタインデーがバレンタインデーとなるまで

バレンタインデーの別称は「聖バレンタインデー」

バレンタインデーの別称には「聖バレンタインデー」もあります。なぜなら、バレンタインデーは聖ヴァレンティヌスにまつわる出来事から発展した日だからです。

聖ヴァレンティヌスの死後200年ほど経ってから、カトリックの聖日カレンダーに2月14日をバレンタインデーと記されるようになりました。

中世には「バレンタインデーに出会った男性と結婚する」と信じられていた

中世のヨーロッパでは、現代のバレンタインデーにはない考え方がありました。それは、若い女性はバレンタインデーに出会った男性と結婚すると信じられていました。そのため、男性はバレンタインデーの日には好きな女性のところに早めに行き、花束を贈るという習慣があったのです。

またカンタベリー物語でも知られる中世時代のイギリス詩人「チョーサー」は、バレンタインデーとロマンチックな愛とを始めて結び付けた詩人です。この時から、バレンタインデーは愛を告白する日としてヨーロッパに広まっていったと言われています。

なぜドイツでは男性が愛の告白をするの?

ドイツではバレンタインデーに男性が愛の告白をする

ドイツでは14世紀ごろからバレンタインデーは男性が愛を告白する日として祝われるようになりましたが、バレンタインデーが一般的になったのは第二次世界大戦以降です。

2月14日のバレンタインデーには、男性が愛する人にプレゼントとともに愛のメッセージを伝えるという習慣ができましたが、その理由は、バレンタインデーが生まれたきっかけとなる聖ヴァレンティヌスのエピソードと関係しているでしょう。処刑前の聖ヴァレンティヌスが盲目の少女に送った愛のメッセージ。こうしたことから、男性から愛を告白する日としてバレンタインデーは定着しています。

女性から男性に愛の告白する日本:チョコレート商戦との関係

日本のバレンタインデーでは女性が愛の告白をすることになっていると思います。そのようになった理由は、1958年に新宿の伊勢丹デパートでメリーチョコレートが女性から男性に贈るものとして、バレンタインチョコレートを宣伝したからです。この宣伝から女性から男性への愛を告白する日としてバレンタインデーが広まっていき、現在のバレンタインデーの形ができあがったようです。

その一方で、バレンタインデーのプレゼントとしてチョコレートを紹介されたのは、それ以前のことです。1936年に神戸モロゾフ洋菓子店がバレンタインにチョコレートを贈る宣伝したことが始まりだと言われています。ただし、当時は女性から男性へ向けたプレゼントという訳ではなく、双方向のプレゼントとしてバレンタインチョコレートを提案していました。

日本以外で、例えばドイツやイギリスなどのヨーロッパ、またはアメリカなどでは、バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣はなく、また愛の告白も女性からと限定されてはいません。

まとめ

ドイツのバレンタインデーは、男性から愛のメッセージを伝える日です。聖ヴァレンティヌスが秘密に行った結婚の儀式が発展して、現在のようなバレンタインデーになりました。

日本では女性から愛を伝える日となっていますが、ドイツではその逆で、またチョコレートは定番のプレゼントでもありません。

もしも日本で男性がバレンタインデーに愛の告白をしたら変に思われるのかもしれませんが、愛を伝えるというその勇気は素敵なもの。女性の方も相手に好意を持っているのなら、その愛の告白を受けてもいいのではないでしょうか。