2021年のドイツの冬時間は10月31日(日)に始まります。では、時計の針はどっちに回すのでしょうか。
私は毎年迷うんですよね。いつまでたっても慣れません。
時計の針は1時間分、進めるのかな?戻すのかな?
答えは…
戻します!
あってましたか?
1時間分、夜が長くなるので、のんびり眠れてうれしいですよね。
ドイツで暮らしていると、春と秋が来ると時計の針を進めたり戻したりしていますが、EUはサマータイムを2021年で廃止するという決定をしているのをご存知ですか。
サマータイムが廃止されるということは、
来年の春にはサマータイムはもうやってこないの?
という疑問が浮かんできますが、現状では、実際にどうなのかがわかりません。
そこでこの記事では、2021年は10月31日にサマータイムが始まることのほかに、サマータイムが導入された理由や、来年2022年のサマータイムがどうなるのかという点についても紹介していきます。
冬時間は2021年10月31日に始まる!
10月31日(日)に時計の針を午前3時に1時間戻す
冬時間は毎年10月最終日曜日に始まりますので、今年2021年は10月31日(日)です。時間は、午前3時。つまり、10月31日の午前3時に1時間戻します。
時間を1時間分戻すことにより、前日までは暗かった朝7時ごろは明るくなります。一方、夕方は日が伸びたように感じられるでしょう。
スマホやパソコンで時間をチェック
冬時間だけでなくサマータイムが始まるときのよく起こるのが、時間の勘違いです。
時計の針を回す方向に迷ったら、スマホやパソコンで時間をチェックするのがおすすめです。
私も頭では時計の針の進める方向をわかっているはずなのに、最終確認はスマホでしてしまいます。
日本との時差は8時間
冬時間に戻ることで、日本との時差は8時間になります。
日本に電話をするときなどは、ドイツの現時刻から8時間を足す(+8時間)と日本時間になりますので、ご確認を。
サマータイムが始まった理由とは?
戦争によるエネルギー節約
サマータイムが導入されたのは、省エネ対策でした。
と言っても、環境を考えてという訳ではなく、戦争のためのエネルギー節約でした。
ドイツが初めてサマータイムを導入
サマータイムを世界で初めて導入したのは、1916年でドイツ。第一次世界大戦中でした。
第一次世界大戦の終戦を機にサマータイムを廃止されますが、第二次世界大戦が始まり1940年に再導入して1950年に廃止します。
しかし1970年代のオイルショックで節電が必須となり、1979年に再びサマータイムが導入されました。
サマータイムはいつから始まるの?
ドイツのサマータイムは毎年3月の最終日曜日に始まる
ドイツでは、サマータイムは毎年3月の最後の日曜日の午前2時に始まります。
時計の針を1時間進めるのがこの日の恒例の行事ですが、寝不足気味になり「サマータイムはつらい」と覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。
日本との時差は7時間に
また日本との時差は8時間から7時間に変わります。
サマータイムが始まると、日本を少し近く感じられるのは、私だけでしょうか。
たった1時間の時差がつらい理由
冬時間からサマータイムに変わるということは、午前3時に時計を1時間戻すことを意味します。
たった1時間、時間を戻すだけのことですが、つらいと思ったことはありませんか。
日本へのフライトで時差7時間や8時間を体験しているはずなのに、このたった1時間が堪えることも。
なぜこのたった1時間の時差がつらいと感じられるのかと言えば、睡眠の周期と関係があります。
レム催眠中の起床がつらい
目覚める前の1時間ほどはレム催眠と呼ばれる浅い眠りの時間帯になっていて、そこから徐々に目が覚めることで、心地よく起きられます。
しかし、サマータイムにより時計を早めることで、このレム催眠中に起きなくてはいけません。レム催眠では夢を見ていることも多く、心地いい時間のはず。そこでたたき起こされるので、「寝足りないぞ」「まだ眠いぞ」ということになります。
冬時間に慣らされた体はなかなかサマータイムに慣れませんよね。人によっては、この目覚めの悪い状態が1週間ほど続きます。
サマータイムと冬時間ではたった1時間の差…それでも、私たちの体調に大きく影響を与えているようです。
2022年からサマータイムは本当になくなるの?
EUはサマータイム廃止を決定したが…未定
EUは2019年3月26日に2022年のサマータイム廃止案に同意しました。つまり、2021年のサマータイムを最後に、サマータイムはやめるという決定をしています。
ところが、昨今の新型コロナウイルスの影響で、サマータイム廃止に向けた法令化が先送りになってしまいました。そのため、現在のところ、2022年のサマータイムが廃止されるかどうかは未定です。
サマータイム廃止の理由は「省エネ効果なし」と「健康被害」
欧州委員会が2018年7月4日から8月16日に行ったインターネット調査では、約460万人のうち約84%もの人がサマータイム廃止に賛同しています。
夏は白夜、冬は極夜(日中でも日の光が少ない状態)が続くフィンランドでは時間の変更の必要性を感じない市民が多く、EU加盟国の中でサマータイム廃止反対に最も多く票を入れました。
では、なぜこれほど多くの人がサマータイム廃止を望むのでしょうか。
サマータイム廃止が提案された理由は主に2つあります。
理由①「期待するほどの省エネ効果はない」
サマータイムは第一次世界大戦中の1916年にドイツで初めて導入されて、オーストリア・ハンガリー帝国やオランダ、デンマーク、イギリスとフランスも導入を決めました。
サマータイムを導入した理由は、戦争で戦うための必要なエネルギーを少しでも確保するためです。
ところで現在では、サマータイムによりどれほどの省エネになっているのでしょうか。
独立行政法人経済産業研究所のRIETIによれば、サマータイムによる省エネ効果は「極めて小さい」と結論付けています。
2020年はCO2の排出量が20万5千トン減少しました。その理由はサマータイム効果だと言われている一方で、新型コロナウイルスの蔓延によるロックダウンで業務停止が相次いだ小売業の影響もあるとも推測され、サマータイムだけのメリットとは言い切れません。
またテクノロジーの進化もあり、サマータイムによる省エネ効果はあまり期待できないという意見が聞かれます。
理由②「健康に良くない」
サマータイム反対のもう一つの理由に、体調への悪影響があります。
私も体験していることですが、サマータイムが導入される日から1週間ほど、体内時計がサマータイムに慣れずに睡眠不足などから、体調に良くないと感じられる人も多いようです。
もしもサマータイムがなくなれば時間に合わせて体を慣らすようなことはしなくて済むので、体調への影響はなくなります。
2022年3月27日にサマータイムを予定
2021年は最後のサマータイムのはずだったのですが、2021年10月現在、2022年のサマータイムが廃止されるとの正式の通達はありません。
サマータイムが廃止されないのであれば、2022年のサマータイムは3月27日から始まります。午前2時に時計の針を1時間進めます。
ただ、EUはサマータイムの廃止をすでに決定していますから、決定通りに「サマータイムなし」という通達があるかもしれません。
そのため、サマータイムが始まる3月下旬前の報道に注意するようにしましょう。
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まとめ
サマータイムから冬時間に戻るのは、2021年は10月31日です。夜中に時計を1時間戻しますので、この日の夜は少しのんびり過ごせますね。
それにしても、2022年の春にサマータイムがやってくるのでしょうか。それとも、サマータイムはなくなってしまっているのでしょうか。
今後、どのようになるかはわかりません。
突然、「予定通りサマータイム廃止!」というニュースがあるかもしれませんので、3月ごろの報道に要注意です。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。では、また!