【ドイツのクリスマス定番料理】ガチョウの丸焼きのレシピ紹介!

ドイツでクリスマスの特別料理と言えば「ガチョウの丸焼き」。ドイツ語で「Weihnachtsgans(クリスマスのガチョウ)」と呼ばれています。

鶏肉の何倍もある大きさのガチョウを、オーブンでじっくりと香ばしく焼き上げると、テーブルの上で切り分けます。ダイナミックなこのお料理をクリスマスに食べるのを、待ちわびているドイツ人家庭も多いでしょう。

せっかくのクリスマスだから、ガチョウの丸焼きに挑戦したいと思っている方も多いはず。でも、下ごしらえは?焼き時間は?と、気になることのオンパレードではないでしょうか。

そこで今回は、「ガチョウの丸焼きのレシピ」を紹介します。

私はここ数年、毎年のようにガチョウを焼いているのですが、やっとこれで決まり!というレシピに行き着きました。

ちょっと手間のかかるのですが、ぜひ試してほしい「ガチョウの丸焼き」。クリスマスの食事がいつも以上に盛り上がりますよ。

【ガチョウの丸焼き】準備編

ガチョウは約3週間前に注文

ガチョウは特別な食材で、お店に行ってもすぐ買えるわけではありません。そのため、ガチョウを焼く日から逆算して数週間前に注文します。

通常なら2週間ほど前でいいのですが、クリスマスは1年のなかでもガチョウの注文が殺到する季節。そのため、3週間前の12月5日頃には注文しておきたいところです。

注文先は、お肉屋さん。私は地元で評判のいい昔ながらのお肉屋さんで注文しています。

クリスマス前なら、スーパーでも注文を受け付けていますので、行きつけのスーパーに聞いてみるのもいいでしょう。

4人分なら4.5キロのガチョウを注文

ガチョウを注文するときは、注文したいガチョウの重さを伝えます。「ガチョウを一つ」、ドイツ語で「Ein Gans, bitte」では不十分で、必ず、どれくらいの重さかを聞かれます。

我が家は大人2人に、9歳と13歳の子どもの4人家族ですが、4.5キロのガチョウを注文しています。これだと十分すぎるくらいの大きさで、少し残るという量です。

ガチョウは高価なお肉

ガチョウのお値段なのですが、一般的に食べている鶏肉に比べると、雲泥の差。

ばどほん

初めてその値段を聞いた時には手が震えました。
事前の心の準備はお忘れなく…

先日、行きつけている肉屋にガチョウの価格を聞いたところ、1キロあたり約24€でした。4.5キロのガチョウを買うと…。それなりのお値段になります。

もしもこの価格に引いてしまうなら、スーパーなどで冷凍のガチョウも売られています。冷凍のガチョウは3キロほどの小ぶりのものが多いですが、価格も肉屋で頼むよりは抑えられるでしょう。

【ガチョウの丸焼き】レシピ編

ガチョウの丸焼きのレシピはご家庭によっていろいろとあるかと思いますが、ここでは私のレシピを紹介します。

義理の両親や、特別な友人を招いたときに作って「おいしい!」と言ってもらっているレシピなので、きっとお役に立てると思います。

前日の下ごしらえ

私はガチョウを焼く前の晩から下ごしらえを始めます。一度煮立てたワインにお肉を漬けておくのです。

【用意するもの】
〇 赤ワイン 1本
〇 玉ねぎ、にんじん、リーキ(Porree) など

【下ごしらえ用のワインの作り方】

1本分のワインと玉ねぎ、にんじん、リーキ(Porree)などと野菜を一緒に煮て、沸騰したら火を止めます。

野菜はその時冷蔵庫に残っているもので決まりはないのですが、煮込んで甘みの出る野菜なら何でもOKです。

ガチョウの下準備

ワインの粗熱が取れるのを待つ間に、ガチョウの準備を始めます。

  1. ガチョウのお腹の中から臓物を取り出します。カットされたレバーなどがそのまま入っていることもありますし、袋に入れて入っていることもあるでしょう。
  2. それを取り出した後、ガチョウを水洗いします。
  3. ペーパータオルなどで表面の水分を取った後、ガチョウの臀部に残っている脂肪(うす透明のかたまり)をカットします。
    ※この脂肪は後で煮込んでオイルに変身させます。そのレシピは後ほど紹介。
  4. 粗熱の取れた赤ワインに、ガチョウを漬けます。
我が家の場合、ガチョウを赤ワインに漬けられるような大きな入れ物がないので、深めのオーブンプレートにガチョウを置き、その上から赤ワインをかけています。
翌朝にガチョウをひっくり返して、反対側が赤ワインにつかるようにしています。

【冷凍のガチョウを使う場合】
冷凍のガチョウの場合は、解凍されてから調理を始めましょう。

下ごしらえをする場合なら、下ごしらえを始める半日前には冷凍庫から出しておきます。

下ごしらえをしない場合でも、ガチョウを焼く前夜には冷凍庫から出し、焼く直前には解凍が終わっている状態にしておきましょう。

ガチョウの詰め物を用意

ガチョウを焼き始める前に、ガチョウのお腹に入れる詰め物を用意します。

我が家で使う材料は、リンゴの2択です。栗は茹でたものが売られています。リンゴは8個ほどを一口程度の大きさにカットして、栗と混ぜ合わせます。

そして、ガチョウを焼き始める前にお腹に詰めて、楊枝を何本か指して、お腹を閉じます。

ガチョウを焼くぞ!

さあ、いよいよガチョウを焼き始めます。

ガチョウを焼く時間ですが、私は低温で長時間薬用にしています。そのように焼くことで、お肉がジューシーに、そして柔らかく仕上がるからです。

【オーブンの設定温度と焼き時間の目安】

  • オーブンの温度: 120℃
  • 焼き時間:
    4キロ~5キロのガチョウなら、約6時間
    5キロ~6キロのガチョウなら、約8時間
読者さん
6時間も⁈

そうなんです。

お昼過ぎから焼き始めて夕食に焼きあがるという、かなり長い時間の焼き時間になります。

さらに、仕上げには、オーブンの温度を200℃に上げて15分ほど焼いて焼き色をつけます。

辛抱強く待ってこそ、美味しくガチョウが焼きあがります。

さらに、ガチョウをおいしく焼くために、もう一つポイントがあります。それは、こちら↓。

1時間に1回、オイルをかける

お肉の表面の乾き過ぎを防止するために、1時間に1回ほど、お肉から出たオイルをかけてあげます。

ガチョウをオーブンに入れたら放っておければ簡単なのですが、そうはいかないのがガチョウの丸焼きです。こうして手間をかけてやることで、ガチョウのうまみがいっぱい詰まった香ばしく皮が焼きあがります。

《焼き時間を短くしたい方に》

6時間も焼くのは長すぎる!面倒くさい!という方もいるでしょう。

そんな方には、焼き時間短めのレシピもあります。

4.5キロのガチョウなら、220度で約3時間です。焼き始める前には、オーブンを250度で温めておいてから、220℃に落として焼き始めます。

焼いている間は30分ごとにガチョウから出たオイルをお肉にかけてあげましょう。

ガチョウの丸焼きをするときの注意点

オーブンプレートは深めのものを使う

ガチョウの丸焼きは油との戦いです。ガチョウを焼いている間にたくさんのオイルが滴ってきますので、必ず深めのオーブンプレートを使いましょう

2時間ほど焼くと、油は1センチほどの深さになるほど油が出てきます。かなりの量になりますから、時々オイルを取り除いてあげるといいでしょう。

パリッとした皮に焼き上げるためにオイルかけを忘れずに

ガチョウを120度の低温で焼くなら1時間おきに、220℃なら30分おきに、ガチョウから出てきたオイルをガチョウ全体にかけてあげます。そうすることで、皮がパリッと焼き上がります。

つまり、ガチョウを焼き始めるとキッチンから離れにくくなるので、ガチョウを焼いている間は家から離れられない心づもりをしておいた方がいいでしょう。

キッチンがベタベタになる

ガチョウはかなり脂っこいお肉。そのため、ガチョウの下処理をしたり、ガチョウを焼きながらオイルをかけたりしているうちに、キッチン回りはかなりべたべたになり脂っこくなります

またオイリーなお肉を焼くだけあって、香りと煙もそれなりに。

ガチョウ料理をするときは、キッチン回りを整理して、必要な調味料やキッチン器具はガチョウを触る前に用意しておきましょう。そして、定期的な換気も忘れずに。

【ガチョウの丸焼き】「ソース」のレシピ

30分ほどで作る簡単なソースの作り方

ガチョウの丸焼きが仕上がる30分ほど前から、ソースを作り始めます。このソースはお肉にかけるのはもちろん、副菜などにもかけて食べるとお口のなかはガチョウ一色!ガチョウ料理を堪能できるでしょう。

そんなソースのレシピはこちら

【ソースのレシピ】

【材料】

〇 お肉からでた煮汁
〇 野菜ベースの粉末のスープの素
〇 塩
〇 砂糖

  1. ガチョウの丸焼きで出た肉汁を鍋に入れ、適量の粉末スープと前日に仕込んだガチョウを漬けた赤ワインで伸ばしながら煮詰めていきます。
  2. 最後に、塩と、隠し味に砂糖を少し加えて味を調えます。

各材料の分量の記載がないのは、私がいつも目分量でやっているので、よくわからないからです。

ばどほん
すみません…

毎回、適当に作っているのですが、それでもかなりおいしい。決め手は、ガチョウの肉汁です。これがなくては、仕上がりいまいちなソースになってしまうでしょう。

ガチョウの煮汁の取り出し方

ソースづくりに欠かせないガチョウの肉汁ですが、オーブンプレートの底に溜まり、オイルが邪魔して取り出しにくいんですよね。

そこで私はガチョウを別のオーブンプレートに移して、肉汁を取るようにしています。

2度手間になるのですが、焼き時間が残り30分ほどになった時に、一度、オーブンからプレートごとガチョウを取り出します。そして用意しておいたもう一枚のオーブンプレートにガチョウを移して、それをオーブンに戻します。

オーブンプレートに残ったオイルを別の入れ物に掬い取ると、オイル少なめの肉汁が残ります。それを鍋に移して、ソースを作ります。

ガチョウを別プレートに移すメリット

このやり方のメリットは、プール状態になったオイルからガチョウを取り出して焼き上げるので、食べるときにガチョウの脂っこさが半減することです。

もう一つのメリットは、肉汁を掬い取るときに、オーブンの熱で熱い思いをしくてすむことです。

洗い物が増えてしまうのですが、オイリーになりすぎないという意味でもおすすめの方法です

ガチョウの脂肪の活用方法

ガチョウの下処理をしているときに、切り取った脂肪。このまま捨ててしまうのは、とてももったいないです。

なぜなら、この脂肪から作ったオイルは香ばしくまろやかなので、炒め物などに使えば、香りのいいお料理に仕上げてくれるからです。

作り方は簡単です。

ガチョウの脂肪で作るオイルのレシピ

  1. ガチョウから切り取った脂肪を1センチ角程度に切り、玉ねぎを刻みます。
  2. ①を小鍋に入れて、弱火で煮ます。
  3. 脂肪が溶けてオイルになったら、漉してビンなどに移して保存します。

ガチョウから取れたオイルはきれいな黄金色です。ぜひ、透明のガラス瓶などに入れて保存してみてください。

まとめ

ガチョウの丸焼きのレシピを紹介しましたが、いかがでしたか。

がちゅおの丸焼きを作るのは、意外と簡単だと思いましたか。それとも、かなり大変だと思われましたか。

私の場合、今年のクリスマスもガチョウを焼くのか、と思った時が、一番、面倒に思うとき。でも、準備を始めると、思ったほどには大変ではないなと、毎回のように思います。

特にガチョウを焼く日はのんびり家にいるときでもあり、ガチョウの面倒を見てあげているくらいの忙しさもちょうどいいと思えるのです。

今年のクリスマス、ガチョウを一羽、焼いてみませんか。きっと家族みんなが喜んでくれますよ。

ばどほん

我が家ではいつもワーッという歓声が上がります(笑)

最後まで読んでいただきありがとうございました。では、また!