【クリスマスイブの過ごし方】なぜポテトサラダを食べるの⁈レシピも紹介

12月24日のクリスマスイブには、チキンを食べて、デザートにクリスマスケーキを食べるというのが、日本の定番のクリスマスの祝い方だと思うのですが、ドイツでは違います。

ドイツのクリスマスイブの料理は、豪華とは言えません。

クリスマスイブの定番の料理は「ポテトサラダと茹でソーセージ」。この組み合わせは、ドイツ人にとっては日常食のようなもので、特別な料理ではありません。

では、なぜドイツ人はクリスマスイブにポテトサラダを食べるのでしょうか。

今回は、クリスマスイブの日にドイツ人がポテトサラダとソーセージを食べる習慣と、その理由を紹介します。

クリスマスイブの伝統料理は「ポテトサラダと茹でソーセージ」

「ポテトサラダと茹でソーセージ」はドイツ人の日常食

ドイツ人のクリスマスイブの伝統的な料理は、「ポテトサラダと茹でソーセージ」です。

ポテトサラダは、サラダと言っても主食なので、クリスマスイブの日は、茹でたソーセージにポテトサラダを添えただけのシンプルな料理が食卓に出されます。

ポテトサラダはマヨ派?それともビネガー派?

「ポテトサラダ」は、ドイツの北部と南部で味付けが違います。ドイツ北部ではマヨネーズベースのポテトサラダが主流です。

一方、南部ではオイルとビネガーで味付けをしたさっぱりとした味の「ポテトサラダ」です。具材はじゃがいものほかに、キュウリや玉ねぎ、ハム、ラディッシュ、リンゴなどです。

なぜクリスマスイブの定番料理が「ポテトサラダとソーセージ」なの?

クリスマス準備期間中のクリスマスイブはポテトサラダで十分

12月24日のクリスマスイブは、クリスマスで最も盛り上がる日というのが日本でのクリスマスですが、ドイツではクリスマスイブはクリスマスの序章にあたる晩だと考えられています。

本格的なクリスマスは12月25日で、クリスマスのお祝いは26日まで続きます。

ドイツでは、クリスマスの準備期間として11月中旬から祝い始めて、12月25日で終わりを迎えます。12月25日を迎えるまでの期間は、食事はお腹をいっぱいにしてくれてコストもあまりかからないポテトサラダで十分だと考えられていて、クリスマスイブも例外ではありません。

そのためクリスマスイブも、普段と変わらないじゃがいもとソーセージが食事としてふるまわれるのです。

じゃがいも料理でマリアとヨゼフを思い出す

またクリスマスイブの日にポテトサラダを食べるもう一つの理由として、マリアとヨゼフを思い出すという習慣もあります。

マリアとヨゼフとはイエス・キリストの両親で、彼らはつらい思いをしながらもエルサレムにたどり着き、マリアはキリストを産み落とします。

この二人の旅中の大変さを思い出すために、質素なジャガイモ料理を食べる習慣が生まれたとも言われています。

オイルとビネガーベースのポテトサラダのレシピ

ドイツではマヨネーズベースのポテトサラダと、オイルとビネガーベースのポテトサラダが食べられていますが、ここでは日本人にとってはなじみの薄いオイルとビネガーベースのポテトサラダのレシピを紹介します。

さっぱりとした味のポテトサラダなので、茹でたソーセージに限らずデミグラスソースをかけた味が濃い目のお肉料理との相性もいいサラダです。

なお、紹介するレシピはドイツ人向けのレシピですので、日本人には量が多いかもしれません。実際に作る場合は、量を調整して作ってみてください。

じゃがいもは前日に茹でておくのが◎

ドイツ風のポテトサラダを作るなら、茹で崩れしにくいじゃがいも(festkochende Kartoffel)を使うのがおすすめだというのは、カートフェルンマーケティング(Kartoffelmarketing GmbH (KMG))の社長ディーター・テッペル氏です。

また彼のおすすめのレシピは、じゃがいもはポテトサラダを作る前日までに、皮つきのままのじゃがいもを茹でておくことです。そしてポテトサラダを作る直前に、皮をむき、スライスすると、じゃがいもの形が崩れずにポテトサラダを作れます。

ばどほん

クリスマスイブの日の調理の手数を減らす意味でも、前日にじゃがいもを茹でておくというのはいいアイディアですね。

「ベーコン入りポテトサラダ」のレシピ

【材料(4人分)】

  • じゃがいも 1キロ
  • ベーコン 75g
  • ニンニク 1片
  • オイル 大さじ4
  • 白ワインビネガー 大さじ3
  • ブイヨンスープ 50ml
  • あさつき(細ねぎ)1束
  • ビオ(有機)レモン 1個
  • 塩・コショウ

作り方

  1. (できれば前日に)洗ったじゃがいもを茹でる。小さめのじゃがいもなら約20分。
  2. ベーコンを小さく切り、にんにくは皮をむいてスライスした後、オイルと一緒にフライパンで炒める。ベーコンが香ばしく焼けたときに、白ワインビネガーとブイヨンスープを入れて冷ます。
  3. 茹であがったじゃがいもは水にさっと通したあと、そのまま冷やるまでおいておく。(まだ薄切りにしない)
  4. あさつきを刻み、レモンは熱湯で表皮を消毒してから、すりおろす。あさつきとレモンの皮のすりおろしを②に入れる。
  5. 冷めたじゃがいもの皮をむき、スライスして、④に入れる。塩・コショウで味を調えて、そのまま1時間ほどおいたら、できあがり。

オイルとビネガーベースのポテトサラダは、じゃがいもとソースを混ぜ合わせた直後に食べるのではなく、1時間ほどおいて味をなじませるのがポイントです。

ばどほん

ということは、ポテトサラダは、食事をする約2時間前には調理に取りかかったほうがいいですね。早いなあ~。

まとめ

ドイツのクリスマスイブの食事はポテトサラダに茹でソーセージと、決してお祝い向けではない料理をいただきます。それはまだクリスマスイブがクリスマス前の準備期間だから。マリアとヨゼフのことを思い、質素に食事をするのが、ドイツ流のクリスマスイブの過ごし方です。

チキンなどのザ・クリスマス!と呼べる料理を食べるのは、12月25日からの2日間。もしもドイツにいるのなら、ドイツの習慣に沿った食事をするのもいいかもしれませんね。

私はドイツ人家庭なので、25日にクリスマス料理を食べますが、実はこの習慣を知ったのはドイツに来てから何年も経ってからのことでした。

私は日本人の習慣が残っていたため、しばらくの間はクリスマスイブにクリスマス料理を作っていたのです。

それを何も言わず受け入れてくれていた私の義理の両親…しばらくしてからお二人の寛大さがわかりました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。では、また!