【ドイツ・ワクチン委】子供のワクチン接種を推奨した理由とは? 日本の推奨理由との比較も

ドイツ政府が新型コロナウイルスのワクチン接種を呼び掛けている一方で、その副反応の強さから接種を控える人も出てきている昨今。12歳以上の子どものワクチン接種はどうしようかと迷っている方も多いのではないでしょうか。

私もその一人。長女はワクチン接種ができる13歳ということもあり、ワクチン接種を受けさせるかどうか迷っていました。

副反応が気になるのでワクチン接種はさせないほうがいいのではないか、でも通学できる状態なのでワクチン接種をさせたほうがいいのではないのかと、考えが二転三転、なかなか決心できませんでした。

そんな中、ドイツの予防接種常設委員会「STIKO」が、12歳以上の子どものワクチン接種を推奨すると発表しました。

しかし、このSTIKOですが、この発表以前は子どもへのワクチン接種は推奨していませんでした。では、なぜSTIKOはこの段階になって、子どもへのワクチン接種推奨へと転じたのでしょうか。

この記事では、ドイツでの12歳以上の子どものワクチン接種について、またSTIKOが子どもへのワクチン接種を推奨するようになった経緯を紹介します。

【この記事をおすすめの方】
〇 12歳以上の子どもにワクチン接種を迷われている方。
 子どものワクチン接種についてSTIKOが推奨する理由を知りたい方。

6月7日、12歳以上の子どももワクチン接種可能に

2021年6月7日、メルケル首相は新型コロナウイルスのワクチン接種は12歳以上の子どもの対象になることを発表しました。

ポイントは、子どものワクチン接種は任意だということ、です。

お子さん、またはその家族などが望むのであれば、12歳以上ならばワクチン接種ができることになったのです。それまでは18歳以上が、ワクチン接種の対象者でした。

アメリカや日本の対応

12歳以上の子どもへのワクチン接種は、ドイツが許可をする以前に、アメリカとカナダではすでに始まっていました。

また日本でも、6月16日にワクチン接種対象者は12歳以上にまで引き下げられています。

子どものワクチン接種はいいのか、悪いのか。

子どものワクチン接種の悩む声

12歳以上にワクチン接種がの対象者が引き下げられたものの、子どもにワクチンを接種させるかどうか迷う声が多く聞かれました。なぜならコロナワクチンはまだ開発されてから間もない新しいワクチンであり、その臨床結果が十分に得られていないという意見があるからです。

子どものワクチン接種を推奨する専門家

その一方で欧州医薬品庁は、2,200人の若者を対象にした調査で、ファイザー・ビオンテック社製のワクチンなら忍容性が高く、モデルナ社製でもほぼ同様の結論になったことを発表しました。

また、ドイツの予防接種常設委員会「STIKO」は、基礎疾患のある12歳以上の子どもには、ワクチン接種を推奨していましたが、それ以外のケースではワクチン接種を推奨していませんでした。

ワクチン接種のガイドラインはどこで線引きをするべきなのか…簡単に結論が出る問題ではないようです。

 

「STIKO」とは

「STIKO」とは、日本語で予防接種常設委員会と訳されていますが、正式名はドイツ語でStändige Impfkommission am Robert Koch-Institutと言い、コッホ研究所に属する予防接種に関する委員会です。政治的に独立し組織で、18人の専門家から構成されています。年に2回会合が行われて、予防接種一般についてのレポートを発表しています。

STIKOはドイツ国内において信頼性が高く、ドイツの各州もその意見を参考にしています。

STIKO「12歳以上の子どものワクチン接種を推奨」と発表

ワクチン接種される数が増えていく中、STIKOはついに子どものワクチン接種を推奨する旨を発表しました。

ドイツの予防接種常設委員会(STIKO)は16日、ガイダンスを更新し、12─17歳の若者全てに新型コロナウイルスのワクチン接種を推奨した。
引用:ロイター

STIKOが12歳以上の子どもにワクチン接種を推奨することにした理由として、主に次の3点を挙げています。

  • 安全性データを得られたこと。
  • デルタ型変異株の感染拡大のリスクがあること。
  • ワクチン接種のメリットのほうが副作用のリスクよりも高いこと。

これらの理由から、STIKOが12歳以上の子どもならばワクチン接種を推奨するだけの一定量のデータを集められたことがわかります。また、デルタ株の感染拡大が見られる現状や、子どものワクチンへの容認性の高いためにワクチンによるメリットが高いことからも、子どもたちのワクチン接種推奨へと舵を切った理由のようです。

日本小児科学会の子どものワクチン接種に関する見解とは?

ここで、日本小児科学会の子どもの新型コロナワクチンの予防接種に対する見解を紹介します。

日本でも12歳以上の子どもを対象に、新型コロナウイルスのワクチン接種が6月1日から始まりました。

そこで、6月16日に発表された日本小児科学会がまとめた子どもがワクチン接種をすることのメリットとデメリットに合わせて、子どもがワクチン接種をする際に理解しておくべきことなどを整理してみましたので、参考にしてください。

子どもがワクチン接種をすることのメリット

  • 新型コロナウイルスの感染拡大を防げる。
  • 基礎疾患のある子どもの重症化を防げる。
    対象となる基礎疾患:神経疾患、慢性呼吸器疾患、免疫不全症

子どもがワクチン接種をすることのデメリット

  • 思春期の子ども、若年成人の90%で、接種した箇所で痛みがあったとの報告がある。
  • 2回目のワクチン接種後の発熱、全身倦怠感、頭痛などの副反応が出やすい。

ワクチン接種において理解しておくべきこと

  • 子どもに関わる成人が免疫を得ることで子どものコロナウイルス感染の妨げに役立つこと。
  • 副反応が出ることが考えられるので、接種前の説明と接種後の健康観察が必要。
  • 基礎疾患のある子どものワクチン接種は、本人の健康状態の把握と、主治医との話し合いも大切。
  • 副反応などのデメリットがあることから、個別接種が望ましい。

 

この報告から、子どものワクチン接種においても副反応などが認められることから、予防接種前に子どもに副反応などが考えられることなどを事前に伝えておくこと、そして接種後の健康管理が必要なようですね。

ドイツと日本の推奨理由との違いは?

「コロナ感染を防ぐ」という点で共通している

STIKOと日本小児科学会がそれぞれ子どもへのワクチン接種の推奨理由を比較すると、共通のポイントは「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐこと」です。

また、日本では基礎疾患のある子どもがワクチン接種をすればコロナに感染したときに重症化が防げることも理由に挙げていますが、ドイツでは以前に基礎疾患のある子どものワクチン接種を勧めています。

日本は副反応に着目

STIKOと日本小児科学会で見解の違いがみられるのは、「副反応」についてです。STIKOはワクチン接種後の副反応を認めていますが、それよりもワクチン接種による恩恵を強調しているのに対して、日本小児科学会は副反応の可能性を重大視しているように思われます。

この違いは、ワクチン接種後の副反応にドイツ人と日本人の違いがあるからなのでしょうか。

残念ながら、国籍別の副反応の違い、または人種間での違いについての資料を集めることはできませんでした。

ただ、ドイツでもワクチン接種後の副反応については報道も多く、副反応が出ている方も多いと聞きます。そのため、ワクチン接種の次の日には仕事を入れないなどの対応をされている方もいるようです。

その一方で、私の周囲に限ったことですが、12歳から13歳のお子さんですでにファイザー・ビオンテック社製のワクチンを2回接種した方が5人いますが、高熱などの副反応が出なかったとも聞いています。

副反応の出方については個人差もあります。ワクチン接種前には、副反応が出ることを想定して準備をすることが懸命のように思われます。

まとめ

STIKOが12歳以上の子どもへのワクチン接種を推奨することを発表したことで、自身のお子さんにワクチン接種をするべきなのかを迷われている方も、改めてワクチン接種について検討できるのではないでしょうか。

ドイツでは子どもがコロナにより亡くなったケースはまだ発表されておらず、また成人のワクチン接種が進めばコロナの感染拡大に歯止めがかかり、結果的に子供たちも守ることになるなどの意見もあります。

ただし、子どものワクチン接種に関して任意であることに変わりはなく、強制されるものではありません。

お子さんのワクチン接種については、その時々の風潮に流されることなく、どうするべきなのかをそれぞれの親が慎重に考えることが大切だと思います。