国際結婚して家族と一緒に日本への一時帰国…楽しみですよね。せっかく日本に行くのだから、日本のいろんなところ行ってみたい、家族に見せたいと思われる方も多いはず。
そんなときに便利なのが「ジャパン・レール・パス(Japan Rail Pass)」です。ジャパン・レール・パスを使えば北海道から九州までJR全6社の鉄道やバスなどが乗り放題ですし、「のぞみ」や「みずほ」以外なら新幹線にまで乗れてしまうお買い得なチケットです。
外国人観光客向けに発売されているジャパン・レール・パスですが、海外在住歴が10年以上の日本人ならジャパン・レール・パスを買えてしまいます。
ぜひジャパン・レール・パスを買って、家族と一緒に旅行したいですよね。ところが、この海外在住歴10年以上を証明することが難しいこともあるのです。
今回はジャパン・レール・パスの購入条件と注意点を紹介します。
ジャパン・レール・パスを買うのって面倒なの?
ジャパン・レール・パスを買えませんでした…
かれこれ10年以上海外に住んでいる私ですが、ジャパン・レール・パスを買えませんでした。せっかく旅行を計画していたのに、残念な結果に。
これからジャパン・レール・パスを買おうとしている方が同じ思いをしてほしくないので、私の経験をもとにジャパン・レール・パスの購入条件をシャアさせてもらいます。
買えないとわかった時の屈辱を晴らすためってわけじゃありませんから。もちろん、そんなことありませんから…(泣)
日本国籍者がジャパンレイルパスを買える条件と注意点とは?
ジャパン・レール・パスは下記のいづれかの条件を満たしていれば購入できます。
条件➀ 外国人観光客であること
ジャパン・レール・パスは外国人観光客なら購入できます。
外国人でジャパン・レール・パスの購入条件とは、次の2つを満たしていることです。
- 短期滞在の入国資格を得ていること
- 日本への入国目的が観光目的であること
つまり、外国人でもすでに日本国内で就労している人などは、ジャパン・レール・パスを購入できません。
注意点:入国審査で入国スタンプ/シールをもらうこと
ジャパン・レール・パスを購入予定の外国人、またはオンライン等でジャパン・レール・パスを既に購入済みでJR窓口で引き換えるのみの外国人も、入国時のパスポート審査で入国資格スタンプ、またはシールを貼ってもらいます。
この入国スタンプ/シールが観光目的で入国したことを証明することになり、ジャパン・レール・パスに引き換えたり利用したりするときに必要になります。
入国スタンプ・シールは、有人の自動化ゲートを通ればもらえます。もしも無人の自動化ゲートを通ってしまうと、このスタンプまたはシールを受けられないので注意しましょう。
条件② 日本国籍で海外在住歴10年以上だと証明できること
日本人でも海外在住歴が10年以上であることを証明できる人は、ジャパン・レール・パスを購入できます。言い換えると、海外在住歴が10年以上というだけではジャパン・レール・パスを買えません。
では、在住歴を10年以上であることを、どうやって証明するのでしょうか。
在留届の写しか在留証明書で10年以上在住を証明
海外に10年以上住んでいることを証明するには、在留届の写しか在留証明書のいづれかの書類によって証明します。
「在留届の写し」とは、在留届を出していることを証明する書類です。一方、「在留証明書」とは、現住所に住んでいることを証明する書類のことです。
ジャパン・レール・パスを購入するためには10年以上住んでいることが証明されなくてはいけませんから、ジャパン・レール・パスの購入には在留届の写しか在留証明書で下記のことが記載されていることが必要になります。
- 在留届の写し:在留届を受付した日付が10年以上前になっていること
- 在留証明書:現住所で、在留を開始した日付けが10年以上前の年月が記載されたもの
つまり、10年以上引越しすることなく現住所に住んでいる場合には、ジャパン・レール・パスの購入のために、在留届の写しか在留証明書のどちらの書類も使えます。
しかし、引越ししている場合はどうなるのでしょうか。
海外に10年以上住んでいることを証明できる場合とできない場合
在留届の提出先の領事館の管轄州内での引越しならセーフ
在留届の提出先が領事館の管轄州内で引越ししていて、通年10年以上住んでいるのなら、「在留届の写し」をジャパン・レール・パス購入のための書類として使えます。
例えば、フランクフルト領事館はヘッセン州とラインラント・プファルツ州、ザールラント州を管轄しています。その3つの州内で引越しをしていたとしても、在留届の写しなら10年以上海外に住んでいたことを証明できます。
在留届の提出先の領事館の管轄州外での引越しでもセーフ
もしも在留届の提出先である領事館の管轄外にこの10年以内に引越しをしていたとしても、「在留届の写し」で海外に10年以上住んでいることを証明できます。
国外に引越ししていたらアウト
もしも10年以内に違う国に引っ越したために管轄の領事館等に転出届を提出している場合、在留届の写しでは海外に10年以上住んでいることは証明できません。たとえ、外国から外国への引越しであったとしてもです。なぜなら、一度転出しているために、在留届は新しく提出された先で、改めて海外に住み始めたこととなり、在留届が受付された日が最初の日とカウントされてしまうからです。
現住所には10年住んでいませんから、在留証明書でも海外に10年以上住んでいることを証明できません。
つまり、たとえ10年以上海外に住んでいても、一度、転出届を出して別の国に住んでしまっていたら、10年以上住んでいることを証明するものがないのです。そのため、ジャパン・レール・パスの購入資格もありません。
10年以上海外に住んでいてもジャパン・レール・パスを買えないことがある
ジャパン・レール・パスは海外からの観光客だけでなく、長く海外に住んでいる日本人にとっても貴重で嬉しい格安のJRチケットです。しかし、日本人の場合、海外に10年以上住んでいなくてはならないという条件に加えて、それを証明する公式書類も求められます。
しかし、外国のある国から別の国へと引越しをして転出したことで、在留期間を総じて10年以上とは数えてもらえません。そのため、たとえ海外での生活が10年以上だったとしても、ジャパン・レール・パスの購入条件を満たせなくなります。
ジャパン・レール・パスの購入を予定されている方は、海外在住歴10年以上だったら誰でも買えるわけではないことを事前に知っておいた方がいいかもしれません。