【免税制度の改正】一時帰国には「在留証明書」を取得して!<2023年4月>

観光庁は免税制度を改正して、免税品を買うときの手続きを簡略化します。

このように聞くと良いことのように聞こえますが、海外に住む日本人にするとちょっとひと手間が必要になりました。

2023年4月から一時帰国者が免税品を買うときには、在留証明書の提示が求められるようになるのです。

在留証明書を提示せずに今まで通りに免税品を買おうとすると、「免税してもらえなかった!」という事態も起こりかねません。そうならないために、2023年4月以降に一時帰国をする方は、事前に在留証明書を取得しておきましょう。

でも、なぜこんな面倒なことになってしまったのでしょうか。

この記事では、免税手続きの簡略化に伴う免税制度の改正内容と、免税品を買うときに在留証明書が必要になることなどを解説します。もしも在留証明書を取り忘れて日本に入国してしまったときの対処法も紹介しますので、お役立てください。

なぜ免税制度は改正されたの?

簡単な手続きで免税品を購入できるように改正

「免税制度」は、免税を受けるときの手続きを簡単にするために改正されました。

これまでは免税品を購入するためには、パスポートの提示に始まり、購入者契約書の提出やパスポートに購入記録表の添付と割印など、1回の手続きで10分~15分ほどかかっていました。また、購入者契約書の保管などが義務付けられていて、出国時に税関でパスポートをチェックしてもらうという手間もありました。しかし、これらの必要だった手続きの一部を廃止することで、免税手続きを簡単にしたのです。

免税制度の電子化で一部の手続きを廃止

免税手続きの一部を廃止できたのは、手続きの一部を電子化することで実現しました。

免税品を購入するときには、免税店のカウンターでパスポートと在留証明書を提示して支払いを済ませるだけ。それで免税品が買えてしまいます。

パスポートの提示以外の手続きが電子化されたため、より簡単に、そして時間をかけずに免税品を購入できるようになります

免税制度改正前免税制度改正後
パスポート等の提示パスポート等の提示
購入者契約書の提出廃止
パスポートに購入記録表の添付と割印
購入者契約書の保管
100万円を超える一般物品を購入した場合、パスポートの写しの提出

免税制度は外国人と2年以上海外に住んでいる日本人が利用できる

免税制度を利用できるのは在留資格のある外国人2年以上海外に住んでいる日本人です。

この免税制度を利用できる外国人とは、日本に住んでいない外国籍の人で、短期滞在、外交、公用で来日している人です。

また日本人の場合は一時帰国者で、海外に2年以上住んでいる人のことです。

海外在住者は「在留証明書」が必要

2023年4月から免税手続きが簡略化されるようになりましたが、その代わりに日本人が免税制度を利用する場合には手間が増えました。海外に住んでいることを証明するために「在留証明書」を提示しなくてはならなくなったのです。

「在留証明書」とは、日本以外の国のどこに住所(生活の本拠)があるのかを証明するための書類です。

「在留証明書」はお住いの国の総領事館か日本大使館で手続きを行い発行してもらいます。

海外在住者が日本で免税品を購入したい場合には、日本行きの飛行機に乗る前に、在留証明書を取得しておく必要があります。

新しい免税制度は2023年4月1日から適用

改正された免税制度は、2023年4月1日から始まります。

この春にイースター休みなどを使って一時帰国をされる方は、出国前に在留証明書を取得しておきましょう。

そもそも免税制度とは?

「免税制度」とは「消費税が免除されること」

「免税制度」とは、商品に課せられている消費税を免除することで、免税店として指定されているお店で施行されている制度です。免税品として購入された商品は、日本ではなく国外で利用されるので、日本の消費税が適用されないことから免税制度ができました。

免税制度を利用できるのは、日本に住んでいない外国人2年以上海外に住んでいる日本人です。

免税対象の商品は一般物品と消耗品

免税対象となる商品は、家電製品や服などの「一般物品」で、同じ店で1日に5,000円以上買い物したときに免税になります。また、食品や医薬品などの「消耗品」も免税対象となり、同じ店で1日に5,000円~50万円まで買い物したものが免税されます。

免税対象品条件
一般物品(家電製品、衣服、スポーツ用品、カバンや靴、時計、宝飾品、おもちゃなど)同じ店で1日に5,000円以上の買い物に対して
消耗品(食品、医薬品、化粧品など)同じ店で1日に5,000円以上50万円以下の買い物に対して

もしも在留証明書を取得し忘れたらどうする?

戸籍の附票の写しを取得する

もしも出国前に在留証明書を取得するのを忘れた時は、戸籍の附票の写し」を取得しましょう。「戸籍の附票の写し」は、本籍地のある自治体の役所で取得できます。

「戸籍の附票の写し」とは、戸籍に載っている人の住所が記録されている公式の書類です。「戸籍の附票の写し」には、その人が移転した住所が記録されています。

戸籍の附票の写しの取り方

戸籍の附票の写しの取り方は、戸籍のある自治体の役所で用意されている交付申請書に必要事項を記入して提出すると入手できます。郵送でも手続きができるので、詳細は各自治体に問い合わせてみてください。

注意!本籍地の地番まで知っておく必要がある

戸籍の附票の写しを取得するためには、氏名や住所などのほかに、戸籍の本籍地を地番まで知っておかなくてはいけません。もしも本籍地を地番まで記入できないと戸籍の附票の写しは入手できないので、事前に正しい本籍地を調べておきましょう。

日本に到着してから戸籍の附票の写しの請求手続きに追われたくないのなら、出国前の在留証明書の取得をおすすめします。
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一時帰国の前には「在留証明書の取得」を忘れずに!

2023年4月から免税制度が改正されて、海外在住者が一時帰国の際に免税品を買うときには在留証明書を提示することになりました。在留証明書がない場合には、戸籍の附票の写しを使うこともできます。

出国前に在留証明書を取得しておかなくてはいけないなんて正直面倒ではありますが、免税の恩恵を受けたいのであれば避けられないようです。

日本に到着してから戸籍の附票の写しを取得してもいいのですが、日本にいる貴重な時間は惜しいもの。日本でのショッピングを楽しみたい方は、出国前に在留証明書を取っておきましょう。