【経験談】自動車事故で加害者がとる行動とは?示談で納得しているのだが…

「かすってしまったかな」「ぶつけた?いや、ぶつけてはいなかったみたい。よかったあ」車に乗っていたら、ヒヤリとした経験をお持ちの方も多いはず。私も車に乗っているのですが、これまでに2度ほどミニ事故に遭遇しています。

1度目は信号で停車したしていたら後ろからコツンとぶつけられた事故。そして2度目はガソリンスタンドで順番待ちをしているときにバックしてきた車にかすられました。どちらも「事故」と呼ぶに呼べないほどの小さな事故なので、どちらも示談で決着がついています。

今回は2度目の事故のときの状況を報告します。大した事故ではなくても、事故にあってみると人はかなり動揺するもの。そんな経験をすることになりました。事故にあった時、できるだけ冷静に対応するためにも、今回のお話が役立てたら嬉しいです。

巻き込まれ事故の様子とは?

順番待ちをしていたら前の車が急にバックをしてきた

週末の夕方のガソリンスタンドは比較的混む時間帯で、その日もガソリンスタンド前に3、4台ほどの車が順番待ちをしていました。私もその列に車をつけて、時間がかかることがわかっていたのでエンジンを切って一時停車をしていました。

ドイツでのガソリンスタンドには暗黙のルールがあります。それはガソリンを入れ終わったら、車は移動せずに停めたまま、清算するためにガソリンスタンドの店内へと向かいます。支払いを終えた運転手が車に戻ってから車を移動させるので、ガソリンを入れるために並んでいる車の列はなかなか短くなることがありません。

いつものことと思いのんびりと待っていると、私の前に停まっていた車が、急に後ろにゆっくりですが下がってきました。そのスピードはあまりにもゆっくりで最初は動いていることがわからないほどでした。でも、ゆっくりと、そして確実に近づいて来きます。これはもしかしてぶつかるかもしれないと思った直前でクラクションを鳴らしました。

するとその車は止まり、また少し前へと移動しました。焦りが収まらないなか辺りを見まわしてみると、その車の前方左側から別の車が近づいてきていました。私の前の車は、その車に場所を譲りたかったようなのです。ただ後方への注意を怠ったために、私の車にぶつかりそうになったようでした。

これはまた何かあるかもしれないと思い、用心のため、私は下がれるところまで下がりました。でも、私のすぐ後ろには別の車が順番待ちをしていましたので、あまり下がることはできません。それでも、前の車からはそれなりに離れられたので、安心してまたエンジンを止めて待っていました。

そのわずか数分後、また例の前の車が下がり始めたのです。今回は、辺りに寄って来ているような車も見当たりませんし、下がるスピードも先ほどより少し早めです。まさか2度目はないだろうと高をくくっていたのが運のつき、私の対応は遅れました。前の車が下がってきていると気づいてから、私は車を動かすことができずに、ただクラクションを鳴らしました。そして、その前の車と私の車は接触したのでした。

事故を起こした運転手の理解しにくい言い訳

加害者となった運転手が車を降りてきました。白いひげを下あごにたくわえたおじいさんで、見た目からだと年齢の頃は60代か70代手前という感じでしょうか。悪ぶれた様子もなければ、開き直っているふうでもありません。ただ、私のことを見ようとはしませんでした。ただ接触した箇所だけを注視しながら、私の車の方に近づいてきます。

私の車の斜め前に立ち、接触部分をまじまじと見ながら、おじいさんはおもむろにポケットから携帯を取り出しました。スマホの画面をいじり始めましたが、一向に私の方に注意を向ける様子がありません。私も降車して、彼に近づいてみましたが、やはり無反応で、そしてそのおじいさんは接触部分を断りもなく自分のスマホのカメラで撮り始めました。

見かねた私は、事故の様子を確認するために、事故内容を話し始めました。1度目のバックでも接触しそうになったこと、私のクラクションに気づいて停車したこと、それからまたあまり時間を置かずに2度目のバックをしてきて接触したことを話しました。彼はその内容に反論しませんでした。すると、彼は急に声を荒げて「車が見えなかったんだ。僕の車のほうが車体が高くてこっちの車は低いから」と言い始めたのです。

彼が乗っていた車がトラックなど特殊の車でもなければ、私の車も子どもが乗るようなおもちゃの車でもありません。確かに彼の車はSUVでセダンに比べれば車高は高めですが、真後ろで一時停車中の私の車が見えなかったというのはさすがに筋が通りません。100歩譲って彼の主張が正しかったとしても、1度目のバックで彼は停止しているのですから、その時点で私の車がすぐ真後ろにつけていることはわかっていたはずです。

おじいさん「僕の車が高くて、この車(私の車)は低かったから」

何を言っても彼はその納得しがたい言い訳を繰り返すので、おじいさんは自己弁護するのに精いっぱいだった様子がうかがえます。もしくは、ちょっとしたパニックになっていたのかもしれません。

彼が落ち着いていないことに気づき、私も冷静に対応するべきだったのでしょう。でも、私も小さな事故とはいえ動揺もあり、つい向きになってそのおじいさんの「車が高かったから」に反論してしまいました。「そんなはずはない、私の車の方が低いとはいえ、見えないはずがない」「もしも小さな子供が後ろを通っていたら、大変な事故になっていたはず。そんな言い訳は許されない」などのように、言い返してしまいました。

あらためて車の傷を見てみると、車体がへっ込んだわけでもなく、塗装がほんの一部分取れた程度です。彼は「私の車が見えなかった」と連呼し続けるような状態だったこともあり、車の損傷も大したことがないと判断して、その場で示談ということにしました。

「この後どうなるんだ?」

「私の車が見えなかった」という連呼が落ち着いてきたときに、おじいさんはふと別のことをつぶやきました。

「この後どうなるんだ」

おじいさんが自己弁護以外に口にした最初の言葉でした。

私はこうしたミニ事故が初めてではなかったので、前回のときに加害者が対応したときのことを思い出しながら話しました。

「私の車を修理に出すことになります。そしてその請求書をあなたに送られることになるかもしれないけれど、すべて保険会社がやってくれるからそんなに心配することはありません」と伝えました。

私たちの周りにはガソリンを入れるために順番待ちをする車が囲むように止まっていました。ある車の運転手はわざわざ降りてきて、私たちを冷やかすかのように遠巻きに歩き、私の車の傷を見ていきました。もうこれ以上、ここでこのおじいさんと言い争いはしたくなかったので、私たちは連絡先を交換してそれぞれの車に乗り込みました。

示談にしたのはよかったけれど

警察を呼ぶという選択肢もあったのですが、私の車はそもそも傷だらけで、新しい傷も気になるほどではなかったため、示談ということにしました。でもその後の処理には少し時間がかかりました。

加害者のおじいさんが事故後の対応を全くしてくれなかったので、私の方ですることになりました。

まず初めに、私は自分が加入している自動車保険会社に連絡して、何をするべきかを確認しました。すると、連絡するべきところは加害者が加入している自動車保険会社だと教えてもらいました。しかし、相手の自動車保険会社を知らなかったので、どのように相手の保険会社がわかるのかも教えてもらいました。

相手の自動車保険会社を知る方法などは、下記の記事にまとめてありますのでご参照ください。

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まとめ

もしも自動車事故にあってしまったら、面倒でも警察を呼ぶというのが正当な方法だと思います。でも、事故と処理するほどではないと当事者同士が理解している場合は、示談でもいいと思います。これまでの経験からそのように思います。

でも示談の場合、事故後に事故はなかったなどと言い逃れされては面倒ですから、必ず証拠となる写真を撮るべきですし、また相手と事故内容についての確認をするべきです。それから先はお相手の良心にすがるしかないので、相手を見極める必要もあるかもしれません。