「さっき子供に何を頼まれたんだっけ?」
「何を買う予定だったのかな?」
「ドイツ語単語が覚えられない」
など、日常にまつわる記憶に関すること。皆さんはお悩みではありませんか。
最近、ドイツ語の再学習を始めて、記憶力の低下を目の当たりにしています・・・
そこで、覚えにくいことや覚えておきたいことをしっかりと覚えるための記憶術を調べてみました。すると、特に興味深かったのが下記に紹介するの4つの記憶術です。この記憶術なら実践しやすく、記憶したいものに合わせて使い分けることで、日常生活が楽になるのではないかと思いました。
何かを覚えておきたい、最近、覚えることが億劫になってきたという方、参考にしてみてはいかがですか。
「記憶術」とは?
「記憶術」とは記憶することを助けるための方法
「記憶術」とは、物事を早く覚えるためのテクニックのことです。意味不明な数字の羅列や英単語などの外国語など、覚えにくいものを記憶術を用いて速やかに覚えられるようにします。また、一度覚えたことを忘れにくくさせる効果のある記憶術もあると言われています。
代表的な記憶術には、記憶するべき対象のイメージ化や精緻化、連想を駆使した方法などがあります。
記憶術を使えば楽しく長く覚えられる
「記憶術を使えば、簡単になんでも覚えられるということ?」と思われてる方も少なくないでしょう。確かに、記憶術を用いた記憶法には、そうした一面もあるのですが、そうとは限りません。
昔からよく使われている記憶方法に、覚えたいことをただがむしゃらに繰り返すといった方法があります。そうした方法では、記憶=忍耐のようなイメージがついてしまううえに、簡単に覚えられるという印象は得られないでしょう。
しかし、記憶術によっては、記憶することの難易度が下がり、覚えやすくなることが考えられます。また、覚えやすくなることで、覚えることが楽しくなるということはあるでしょう。また記憶術によっては一度覚えたことを長く記憶に定着させるという効果があるものもあります。
文字の羅列を暗号のように記憶するのでは長期にわたって記憶しておくことは簡単ではありませんが、記憶術を用いることで、記憶することをより楽しく、長期的に覚えられるようになるという効果が期待されます。
記憶術のドイツ語は「Mnemonik」
「記憶術」はドイツ語で「Mnemonik」です。英語でも「mnemonic」で、「記憶術」という意味のほかに、「記憶を助ける」という意味もあります。
実践!おすすめ記憶術4選を紹介
記憶術➀:アクティブリコール
「アクティブリコール」とは覚えたことをすぐにアウトプットする方法
「アクティブリコール」とは覚えたことをすぐにアウトプットする方法です。覚えたことを思い出そうとするアウトプットをすることで、記憶の定着化を図ります。
記憶術の中でも、忘れにくい方法のひとつと言われています。
「アクティブリコール」のやり方
- テキストなどを読み覚えたいと思うことを理解します。
- 理解したことを紙に書き出します。本人がわかりさえすればいいので、雑な文字や文章でかまいません。書き出した紙も保存しません。
- 書き出した内容をテキストに戻って答え合わせをします。間違っているところや書き足らなかったことを確認します。
このように、覚えたいことをインプットして、それをアウトプットすることを行うのが「アクティブリコール」です。
「アクティブリコール」は英語で「active recall」と書き、その意味は「能動的に思い出す」です。
記憶術②:場所法
「場所法」とは覚えたいものを一定の場所と重ね合わせて記憶する方法
「場所法」とは覚えたいものを一定の場所と重ね合わせて記憶する方法です。この場所法は、ランダムな異なる物事を記憶するときに役立ちます。例えば、一度にやるべきことをいくつも思いついた時や、頼まれごとが重なった時などです。
場所法のやり方
「今日やること」がいくつかあった場合、場所法を使い次のように覚えます。
- 今日やるべきことを整理します。例えば「今日やること」は、「買い物」「掃除」「15時に子どものお迎え」「犬の散歩は18時」「お誕生日を迎える義父への電話」だとします。
- 「今日やること」を今、見えている物や場所を結びつけます。例えば、目の前に「パソコン(デスク)」があれば、「パソコン」と「買い物」というイメージを結びつけます。そのときの結び付け方は、「買い物リストをパソコンで作る」といった連想よりも、「パソコンから買い物カートが飛び出すイメージ」などを非現実的で突拍子のない方が覚えやすくなります。
<例>
- 「掃除」と「部屋の角にある観葉植物」:掃除機が観葉植物を吸い込むイメージ
- 「15時に子どものお迎え」と「観葉植物の横にある椅子」:お迎えを待っている子どもがいちご(15)を食べながら座っているイメージ
- 「犬の散歩は18時」と「椅子の後ろの窓」:市場(「いちば」で18)に行きたがっている犬が窓から飛び出すイメージ
- 「お誕生日を迎える義父への電話」と「窓の向こうにあるベランダ」:ベランダに立つ義父が子どもがかぶるような紙で作った王冠をかぶっているイメージ
このように記憶するべきことと場所(物)を関連付けて、突拍子なイメージで覚えます。
このように活字にすると長くていちいちこんなことはやっていられないと思われるかもしれません。でも慣れていくと、こうした連想は瞬時にできるようになっていきます。
記憶術➂:イメージ記憶
「イメージ記憶」とは記憶するものをイメージ化する方法
「イメージ記憶」とは記憶するものをイメージ化すして覚える方法です。覚えるべきことをイメージと置き換えることで覚えやすくなります。
関連性のなさそうな数字の羅列などを記憶するときに役立ちます。
「イメージ記憶」のやり方
例えば、「15、20、34、49」という数字を覚えるために、数字をイメージ化します。
例えば、「15」は「いち」と「ご」読み、「いちご」にしてみましょう。次に「20」は二十歳を連想して「成人式」を連想します。成人式によくみられる「振袖を着ている若い女性」を思い浮かべてみましょう。次に、「34」から思いついたのは夏目漱石の小説『三四郎』です。つぎに「49」は、「死」と「苦」です。これらをつなぎ合わせると、次のようになります。
「いちごを食べている振袖を着た若い女性は、手に漱石の『三四郎』を持ち、三四郎が死んだと言って苦しんでいる」
小説『三四郎』のなかで三四郎が死ぬわけではないのですが、勝手にそんな話を作り上げることで覚えやすくなります。
一つ一つの数字に連想をするのは大変のように思えますが、これも訓練により簡単にできるようになるそうです。
記憶術④:間隔反復
「間隔反復」とは一定の時間を空けて思い出すことで記憶する方法
「間隔反復」とは、一度覚えたことを一定の時間を空けて思い出すことで記憶を定着させる方法です。人は一度覚えただけでは忘れてしまいやすいもの。そこで、少し経ってからもう一度思い出すことで記憶されていきます。
間隔反復は、とくに長く覚えておきたいことには有効的な記憶術だと言われています。
「間隔反復」のやり方
例えば、単語帳など覚えるべき事柄のリストを用意します。それを一度覚えた後、またすぐ見直すのではなく、3日や5日など、間を空けます。それからもう一度、その単語帳を見直すという行為を繰り返します。
まとめ
記憶術とは人が何かを記憶しよう、覚えようとするときにその助けとなるための方法です。今回ご紹介した4つの記憶術とは、
- アクティブリコール:インプットした知識を紙などに書き出してアウトプットすること
- 場所法:場所と記憶するものとを結びつけて記憶する方法
- イメージ記憶:記憶するものにイメージを結び付けて記憶する方法
- 間隔反復:時間の間隔を空けて思い出す記憶法
上記の記憶術を一つ試すだけでもいいですが、これらを組み合わせることでさらに記憶が定着すると言われています。例えば、アクティブリコールをして覚えたものを、間隔反復を使って復習するという方法です。このように記憶術を組み合わせることで、記憶したことが定着されやすくなるのです。