【体験談】ハーフの2ヶ国語育児のコツとは?注意すべきことも紹介

ハーフが外国で暮らしているなら、2ヶ国語を話せて当たり前、と思われがちですが、実際にはそうではありません。赤ちゃんの頃から2か国語で育ったとしても、2か国語とも母国語として使えるようになるには、パパとママの大変な努力がいると私は思っています。

「ハーフ=2ヶ国語は当たり前ではない」のなら、どうやってハーフの子どもたちに2か国語を身につけてもらえるのか。

私の体験談から、子どもたちが赤ちゃんのときから心がけてきたバイリンガル実践法を紹介します。紹介する「One Person One Language」というメソッドはバイリンガル育児のメソッドとして、決して新しいことはないでしょう。でも、このメソッドを実践してきたからこそ、子どもたちは私と日本語で会話をしてくれていると思っています。

海外でハーフの育児をしている方、日本でハーフの育児をしている方、またはバイリンガル育児に興味のある方、参考にしてみてください。

私の子どもたちの語学レベルとは?

 

ドイツ語が母国語で、日本語は母国語1/2

私の子どもたちはドイツ育ちのため、環境語であるドイツ語が母国語と言えるでしょう。その一方で、私の言葉である日本語のほうは、母国語と言うにはちょっと弱い。でも、私とのコミュニケーションツールは日本語です。(長女は15歳、次女は11才です)

私とコミュニケーションを取るときは、聞くときも話すときも日本語です。日常会話程度の内容でしたら、日本語で理解できます。ただし、ドイツ語のアクセントは隠せません。

とはいえ、子どもの時から使っている言葉だけあって、外国語として学んだ言葉とは少し違います。日本語は、外国語よりも親しみやすく、肌になじんでいる言語です。ただ、日本育ちの年齢相応の子どもと比べてら、日本語力は落ちます。

ハーフでドイツ育ちの子どもたちにとって日本語は、母国語とは言い切れない、母国語1/2といった感じです。

バイリンガル育児で赤ちゃんの時から気を付けたこと

One Person One Languageを守ること

私たち夫婦が育児をするうえで気を付けたことは、One Person One Languageの原則を守ることです。このルールは既によく知られているかと思いますが、「ひとりが一つの言語を使う」ということです。

我が家の場合、ドイツ人の主人はドイツ語を、私は日本語を子どもたちに使います。

これを日常でやるとどうなるかと言うと、例えば食卓では、主人と私、子どもたちが話しているときにはドイツ語なのですが、私が子どもたちに話しかけるときは、急に日本語で話し始めます。それに対する子どもたちの返答は日本語になるのですが、主人にも同じことを伝えたいとなるとドイツ語で子どもたちは話します。

このような会話をすると、会話の流れとしては決してスムーズではありません。私が子どもたちと日本語で話している間は主人は待たなくてはいけませんし、主人と子どもたちが話しているときは私が待ちます。それに補足することを横から私が子どもたちに話しかけるときには日本語で、主人にはドイツ語で話します。それでも会話にはテンポも大切ですから、それぞれがそれなりに早口になります。

私たちの日常会話は、かなり騒々しい会話です。

赤ちゃんの頃から始める

赤ちゃんはまだ言葉を話しませんが、生まれた時から言葉を学び始めます。そのため子どもたちが赤ちゃんの頃から、主人は赤ちゃんにドイツ語で話しかけて、私は日本語で話しかけていました。

子どもが話し始めるようになると、前述したような会話が少しずつ始まります。子どもの言語の学習度合いによって、私たちの会話は複雑なり、テンポも早くなり、ドイツ語と日本語がかなりのスピードで飛び交うようになります。

ママの言葉からパパの言葉へと変わっていく

長女が赤ちゃんの頃、長女は私と二人きりで過ごしていました。そのため、赤ちゃんから幼少期にかけて彼女は日本語が強くなっていきました。パパの言葉にも反応しますが、発語数については、ドイツ語だけで生活している子どもよりも少ないと、定期健診で小児科医に言われました。

小児科医の診断に不安を覚えましたが、長女が幼稚園に行くようになると、その不安はぶっ飛びました。幼稚園に行くようになった3才頃から、環境語であるドイツ語が強くなっていったのです。

そうなると何が起こるかと言うと、私が日本語で話しかけても、長女はドイツ語で返してくるということが頻繁に起こるようになりました。長女が私にドイツ語で話してくれば「日本語で話して」「ママの言葉で話してくれないとわからないよ」と言うようになり、長女はその度に日本語に言い換えるという作業をするようになりました。

One Person One Languageの落とし穴

One Person One Languageの法則を知っているけど、徹底していないという例が聞かれます。

例えば、ママが日本語で話しかけているのに、子どもが環境語であるドイツ語で答えるのを許してしまうといった例です。子どもの返答した言語を訂正するのが面倒であったり、子どもに憂慮してしまって言語の訂正をしないままにやり過ごしてしまうのです。

この状態を続けていると、子どもは日本語での会話で内容を聞き取れるけれども、日本語を話すことが億劫になってしまって、いつしか日本語を話さなくなってしまうということがありえます。

One Person One Languageとは、親と子の会話での言語を一つにするという意味です。親が話しかける言語と、子どもが返答する言語が違ってしまえば、この原則から外れてしまいます。

One Person One Languageを始めたころは子どもに意地悪をしているみたいに感じられるかもしれませんが、親子での会話が一つの言語になるように心がけるようにしましょう。

まとめ

ハーフの2か国語育児では、ママはママの母国語、パパはパパの母国語で子どもに話しかけるOne Person One Languageの法則が大切だと思います。我が家でもそのように子どもたちに接してきました。ポイントは、子どもたちの返答もママとの会話ではママの言葉、パパとの会話ではパパの言葉で返答するように習慣づけていくことです。

このOne Person One Languageを実践することが、決して楽でないことは十分承知しています。私もこの法則を始めた当初、数カ月間はよく頭痛があり、苦しい思いをしました。私の頭がオーバーヒートしているんですよね。また、子どもが幼稚園に行くようになりドイツ語力が上がってくると、子どもたちに日本語を強制していくというのは会話も滞りがちになるし、お互いにストレスの多い時期もありました。

ただあの時に子どものほうに傾いて日本語を話さないことを良しとしてしまっていたら、現状のように子どもたちは私と日本語で会話をしてくれなかっただろうと思います。

ハーフの2か国語育児は一筋縄ではいかないと思いますが、小さなお子さんを育てているママさんやパパさん!もしもバイリンガルに育ってほしい、私の母国語もわかってほしいと思うなら、このOne Person One Languageは有効的だと思います。大変だと思いますが、時間をかけて実践していってみてください。

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