「豆腐」は肉の代わりになる⁈木綿豆腐とドイツTOFUではタンパク質量の違い

ドイツ人と話しているとなんか違うんだよなと思うことは、

「TOFU(豆腐)って肉の代わりなんだよね(”TOFU ist ein Fleischersatz, oder?”)」という表現。

確かにドイツでは、ベジタリアンの方などの間で、豆腐は良質のたんぱく質が取れる食材として知られています。でも、ドイツ人が「TOFU(豆腐)」と言うとき、「豆腐は肉の代わりになるんだから、TOFUを食べていれば肉を食べなくても大丈夫」みたいに聞こえるのは、私だけでしょうか。

ノンベジタリアンの私には、その響きがどうも納得がいかないのです。

それに、ドイツで豆腐を食べたことがある方はご存知だと思うのですが、あの「固い豆腐」。あれが豆腐だと思われているのかと思うと、「なんだかなぁ」とも思ってしまいます。

今回は、ドイツ人の豆腐のイメージと、ドイツ人が思っているように豆腐がお肉の代替品になれるのかを検証してみたいと思います。

ドイツのTOFU(豆腐)と日本の木綿豆腐の食品成分を比べてみて、驚愕の事実を知ったことも併せて紹介します。

ドイツ人にとっての「TOFU」とは?

「TOFU」は肉の代替品として人気

ドイツでTOFUと言えば、肉の代替品として知られています。Proveg Internationalのブログにも、”Tofu ist der Klassiker unter den Fleischalternativen”(豆腐は肉の代替品として定番です)として紹介しています。

肉の代替品としてすっかり有名になっている豆腐ですが、では、ドイツのTOFUは、肉のようにたくさんのタンパク質を含んでいるのでしょうか。肉の代替品として考えていいのでしょうか。

日本でも「豆腐」は肉の代替品として知られている

日本でも「豆腐」は、お肉の代わりの食品としてよく紹介されています。

森永製菓のHPによれば、豆腐は大豆から作られる食品で、タンパク質のほかにカルシウムも多く含まれる食品として説明されています。また、「豆腐」は植物性のタンパク質が豊富で低カロリーなので、ダイエット食品としても食べられることも多いようです。

木綿豆腐の栄養成分

では、豆腐の栄養成分を見てみましょう。

100gあたりの木綿豆腐では、エネルギーが72kcalで、資質は4.2g、そして肝心のタンパク質は6.6gです。

また豆腐には、脂質代謝に関わると考えられる「レシチン」や、脂肪の蓄積に関わると考えられる「サボニン」などの機能成分も含まれているので、積極的に取りたい食材のひとつとして考えられているようです。

豆腐などの肉の代替品は関心が高まっている

最近では、豆腐、ソイミートなどの肉の代替品は、環境問題や食糧問題、さらには健康志向も手伝い、特に注目されるようになりました。ドイツの多くのスーパーマーケットでも、肉の代替品として豆腐以外の野菜や穀物、その他の植物などを原料にした食品が多く目につきます。

ドイツTOFUは肉の代替品として適切か?

豆腐類と肉類では肉類の方がタンパク質量が多い

木綿豆腐や絹ごし豆腐などの豆腐は大豆食品のため植物性たんぱく質が豊富な食材としてよく取り上げられますが、肉類の代替品として考えられるだけのタンパク質が含まれているのでしょうか。

豆腐類と肉類のタンパク質量を比べると次のようになります。

木綿豆腐絹ごし豆腐凍り豆腐豚肩ロース若鳥もも肉
タンパク質(g)6.64.910.1

 

19.214.2

(参照:https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/tofu-lipid

木綿豆腐や絹ごし豆腐に比べると凍り豆腐は多くのタンパク質を含んでいるものの、肉類が含んでいるほどのたんぱく質は含まれていません。

これでは、豆腐類を単純に肉類の代替品として、肉の代わりに十分なたんぱく質を得られるとは考えにくいようです。健康長寿ネットによると、18歳以上の女性なら1日50gのタンパク質を摂取が理想的だということなので、豆腐を使った料理にあわせて、肉類も取ったほうがタンパク質は充分に得られるのではないでしょうか。

ドイツTOFUは本気の肉の代替品になれるか⁈

しかしある時、ドイツの豆腐の栄養成分を見て、驚いてしまいました。

ドイツのTOFU代表として、REWEのビオ製品のひとつ「TOFU NATUR」の栄養成分を見てみると、そこには衝撃の事実がありました。この豆腐は、木綿豆腐の水分を抜ききったような固い歯ごたえさえ感じられる典型的なドイツの豆腐です。

たんぱく質の量は15.4gとあります。この数値は、若鳥もも肉よりも多いタンパク質を含んでいることになります

ばどほん

恐るべし、ドイツTOFUです。

つまり、このドイツの豆腐なら、れっきとした肉の代替品として考えられるのではないでしょうか。

ドイツの豆腐はただ固いだけじゃなかった…

ドイツの豆腐のタンパク質量が鶏肉のそれとほとんど変わらないという衝撃の事実を知った時、私はこう思いました。

「ドイツ人の皆さん、申し訳ありません。TOFUは確かに肉の代替品でした」

ドイツの豆腐は固いだけかと思っていましたが、こんな素晴らしい食品だったとは知りませんでした。

これからはドイツ人並みに、「豆腐は肉の代替品だもんね」と強く主張していきたいと思います。

みなさんも、ドイツの豆腐を固くて使いにくいとは言わずに、肉の代わりに良質なたんぱく質が取れる食品として普段の食卓に添えてみてはいかがでしょうか。私は早速、ドイツTOFUを使ってリゾットにしてみました。とてもおいしかったです。

フードの最新記事8件