この記事ではドイツの「児童手当」の特徴や申請方法を解説します。
ドイツにも「児童手当」があり、国籍に関係なく育児をしている家庭なら受け取れる援助です。では、その支給額はいくらくらいなのでしょうか。
この記事では、ドイツの「児童手当」の意味や受給対象者の他に、「児童手当」の申請の方法として、オンライン申請と郵送での申請の仕方を順を追ってわかりやすく解説します。
【この記事がおすすめの方】
- ドイツの「児童手当」は誰が、いくら、いつまでもらえるのかを知りたい方
- 「児童手当」の申請方法を知りたい方
- 「児童手当」はいつからもらえるのか知りたい方
ドイツの「児童手当」とは?
「児童手当」とは子どもを育てるための補助金
ドイツの「児童手当」とは、子どもを育てるために行政から支給される補助金です。基本的には子どもが18歳になるまで、非課税で支給されます。
児童手当の対象となる子ども
児童手当の対象者
- 児童手当の対象者
- 実子
- 連れ子
- 養子
- 親の代わりに、扶養して一緒に暮らしている孫
- 特定の条件を満たす介護が必要な子ども
支給額は1人につき毎月219ユーロ
「児童手当」の基本の支給額は、子ども1人につき毎月219ユーロです。ただし、子どもの人数によって支給額が変わります。
[table id=3 /]※2021年1月現在児童手当の支給額は毎年のように上がっています。また支給額が変わるかもしれませんので、正しい支給額は申請時などにご確認ください。
両親が日本人でも児童手当は支給される
日本からドイツに移り住んだ日本人家庭でも、児童手当の支給を受けられます。児童手当の申請をすれば、住民登録をした月から児童手当の受給が始まります。
25歳までの学生や職業訓練生も児童手当がもらえる
25歳というと「児童」という感じがしませんが、25歳でも学生や職業訓練を受けているなら児童手当をもらうことができます。
18才以上で児童手当が支給されるケース
【年齢】
18才以上25才まで
【条件】
- 学校や大学に通っている
- 職業訓練を受けている
- インターンシップ
- 公的なボランティア・奉仕活動をしている
18才以上で児童手当が支給されないケース
【例】上記の条件を満たしていて妊娠、出産して育児休暇に入ったら、児童手当は支給されなくなります。
「児童手当」の申請方法とは?
「児童手当」の3つの申請方法
「児童手当」の申請方法には、3通りあります。
- オンライン申請
- 郵送での申請
- 連邦労働局の事務所での申請
オンライン申請とその条件
オンライン申請は2018年から始まった新しい申請方法で、次のような条件があります。
- 両親の両方またはどちらかがドイツ国籍、EUメンバーの国の国籍、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス国籍。
- 実子で新生児
- ドイツ在住
上記のすべての条件を満たしているときは、オンライン上での児童手当申請が行えます。
郵送または連邦労働局の事務局での申請
オンライン申請をするための条件を一つでも満たしていない場合には、郵送または連邦労働局(Bundesagentur für Arbeit)の事務所で申請します。
【オンライン申請】3つのステップ
「児童手当」のオンライン申請では、申請に必要な書類とプリントアウトしたオンラインフォームを、連邦労働局(Bundesagentur für Arbeit)の家族公庫(Familienkasse)に郵送します。
ここからは、その手順を順を追って解説します。
ステップ①オンライン申請のための書類を揃える
まず初めに、児童手当のオンライン申請に必要なものを集めましょう。オンライン申請を始める前に揃える書類は次の通りです。
- 子どもの出生証明書(Geburtsurkunde)
- 子どもの税金番号(Steuerliche Identifikationsnummer)
「子どもの出生証明書」は、子どもが生まれて数日以内に行う出生届の手続きをしたときに受け取れる書類です。
また「子どもの税金番号」は出生届を出すことで出生登録がされるのですが、それを確認した行政から郵送で届けられます。
ステップ②オンライン上で申請
連邦労働局(Bundesagentur für Arbeit)のホームページのオンラインフォームに必要事項を記入して、プリントアウトします。
ステップ➂郵送
ステップ①と②で用意した書類を、お住いの州の家族公庫(Familienkasse)に郵送します。
【郵送での申請】3つのステップ
「児童手当」の郵送での申請では、必要書類を用意してお近くの家族公庫(Familienkasse)に郵送します。
ステップ①必要書類を用意する
まずはお手持ちの書類の中から、児童手当に申請するための書類を集めましょう。必要書類は下記の表でご確認ください。
子どもの出生証明書 (Geburtsurkunde) | 日本領事館で申請します。申請の際に必要な書類は、日本の役所で発行した戸籍謄(抄)本、パスポート、領事館に置いてある申請書類です。申請から約4日後(土曜日・休日を除く)に発行されます。 |
子どもの税金番号 (Steuerliche Identifikationsnummer) | 住民登録をすると約2週間後に郵送されます。 |
パスポートのコピー | 児童手当を申請する親と子どものパスポートのコピー |
滞在許可書のコピー | |
住民票(住民登録)のコピー (Meldebescheinigung) | |
雇用証明書 | 雇用先から発行。 |
ステップ②連邦労働局のHPから必要書類をダウンロード・記入
連邦労働局のHPから、下記の書類をダウンロードして、必要事項を記入します。
- 「児童手当の申請用紙」:Application for Child Benefit(KG1)
児童手当を申請するための書類 - 「子どもに関する添付書類」:Appendix:Child for application for Child Benefit (KG1-AnK)
児童手当が申請される子どもについて証明する書類 - 「児童手当用住所証明書類」:Haushaltsbescheinigung für das Kindergeld (KG 3a)
子供と一緒に住んでいることを証明するための書類
ステップ➂郵送する
児童手当の申請に必要な書類をすべてまとめて、お住いの州の家族公庫に郵送します。
必要書類を郵送後、申請を確認する書類が届きます。申請内容が正しいことが確認されると、児童手当の申請が終了です。
手続き開始から終了まで2ヶ月ほどかかるでしょう。
「児童手当」はいつからいつまでもらえるの?
子どもが生まれた月から支給が始まる
「児童手当」は、ドイツで子どもが生まれて申請を済ませた場合には、子どもが生まれた月の分から児童手当をもらえます。
子どもが18才になるまでもらえる
「児童手当」は原則的に子どもが18才になるまでもらえます。
もしも子どもの誕生日が3月10日なら、その子どもが18歳になる3月までもらえます。しかし、子供の誕生日が3月1日だと残念ながら3月まででなく、前月の2月までになります。
また職業訓練を受けている等、特定の条件を満たしていれば、25歳までの青年も児童手当が支給されます。
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まとめ
「児童手当」は子どもを育てる親にとって、とても助かる補助金です。お子さんがドイツで生まれとき、お子さん連れでドイツに住むことになったときには、忘れずに申請しましょう。
ただし、駐在員のご家族で「児童手当」を受け取れないこともありますから、児童手当が受け取れるかどうかを雇用主に確認しましょう。