【ドイツ料理】固いお肉には○○をかけて30分待つ!Ostmannとはどんな会社?

ドイツはお肉料理が多いお国柄。でも、なかなか柔らかいお肉に出会えなくて苦労している方も多いのではないでしょうか。

私もお肉を薄く切ってみたり、叩いてみたり、漬けだれに漬け込んでみたりとしてみましたが、納得のいく柔らかさには程遠い結果に。

いろいろ試して行き着いたのがOstmann社の「Fleischzartmacher」です。これをお肉に振りかけて30分ほどおくと、柔らかくなるという嬉しくなる調味料です。

でも、なぜこの調味料を使うと、お肉はやわらかくなるのでしょうか。

今回は、私が毎日のようにお世話になっている「Fleischzartmacher」を紹介します。

お肉を柔らかくしたいなら?

「Fleischzartmacher」の一択!

「Fleischzartmacher」とは、お肉を柔らかくするための調味料です。調理を始める30分前に、お肉にFleischzartmacherを振りかけておいておくだけです。

お肉の種類は選びません。

ほんのり塩味もつけられるので、お肉に下味もつけられてしまう優秀な調味料です。

「Fleischzartmacher」の成分

「Fleischzartmacher」のどの成分がお肉を柔らかくしていくのでしょうか。ここでは、オストマン(Ostmann)社のFleischzartmacherの成分の詳細を見てみましょう。

  • Speisesalz(塩)
  • Dextorose(デキストロース)
  • Papain(auf Milichzucker)(パパイン)
  • Säuerungsmitel(酸味料)
  • Natriumcitrat(クエン酸ナトリウム)
  • Gewürzextract(スパイス抽出物)

では、この成分のなかでどれがお肉を柔らかくしてくれるのかと言うと、

「Papain(パパイン)」と「Natriumcitrat(クエン酸ナトリウム)」です。

「パパイン」のタンパク質分解酵素がお肉を柔らかくする

「パパイン」とはパパイヤに含まれる酵素のひとつで、たんぱく質の分解酵素です。なぜパパインがお肉を柔らかくするのかと言うと、パパインのタンパク質分解酵素が働き、お肉のタンパク質を分解されることで、お肉が柔らかくなります。

ちなみに、パパインは洗顔料などの化粧品にも使われています。お肌の角質層にある角質細胞にはケラチンと呼ばれる繊維状のタンパク質が詰まっているのですが、このたんぱく質にパパインのタンパク質分解酵素が働きかけることで柔らかくなり、古い角質を取り除きやすくするのだそうです。

パパインのタンパク質分解酵素が、お肉もお肌もやわらかしっとりに仕上げてくれるんですね。

「クエン酸」が線維の間に空気を入れてお肉を柔らかくする

「クエン酸」とは、柑橘類などに含まれている酸のひとつです。

クエン酸がお肉を柔らかくしてくれる理由は、宮城大学食産学部准教授の石川伸一さんによると、

酸性の液体に含まれる酸が筋肉組織を弱め、線維と線維の間の空間が大きくなり、結果としてより多くの水分を蓄えることができるようになったためではないかと推察

引用:厚切り肉を柔らかくする「裏ワザのヒミツ」にせまる! | クックパッドニュース (cookpad.com)

なぜクエン酸がお肉を柔らかくするのかははっきりとはわかっていないのですが、お肉の線同士の結合を弱めることに繋がり、柔らかくなるということのようです。

また、クエン酸は野菜の色を鮮やかにするという効果もあるため、お肉と合わせてお野菜にもFleischzartmacherがいい効果を出してくれそうですね。

オストマン社とはどんな会社?

オストマン社とは、調味料専門の製造会社

オストマン社は、調味料を専門にするドイツ生まれの会社です。正式社名も「Ostmann Gewürze GmbH」となっており、社名に調味料やスパイスという意味の「Gewürz」という言葉が入っていますね。

オストマン社は1902年に、ドイツ西部の都市ビーレフェルトで、薬の販売業を営んでいたカール・オストマン(Karl Ostmann)によって創業されました。

30年代に急成長したオストマン社

会社の設立当時は、オストマンは自分が経営する薬局の奥の部屋で、乾燥香辛料やハーブを小分けする作業をしていたほど、小さな事業として始めました。

その後、会社は順調に成長して、1930年代に入った時には、オストマン社は調味料会社として有名になっていました。

1994年まではファミリー企業だったのですが、オーストラリアのバーンズ・フィルプ・アンド・カンパニー(Burns Philip & Co. Ltd)に引き継がれるものの撤退。1998年には従業員が700人からほぼ半数に減少した状態で、Fuchs Gewürze社に買収されました。

経営維持には紆余曲折があったオストマン社ですが、買収後も社名は残されて、現在でもオストマン社製の調味料や香辛料、ソースなどが店頭に並んでいます。

オストマン社の公式ホームページ:
Ostmann Gewürze | Damit deinem Essen nie langweilig wird

お肉はFleischzartmacherで柔らかく

お肉を柔らかく調理するのにおすすめのFleischzartmacher。パパインとクエン酸でお肉をや若くしてくれるだけでなく、塩味も付けられるので下ごしらえには一石二鳥の調味料です。

すっかりオストマン社の回し者みたいになってしまいましたが、なにか見返りを期待しているわけではありません。

ただ、「Fleischzartmacherを使うとお肉が柔らかくなり、お肉料理が楽しくなるよ」というお話です。

ぜひお肉が硬くてお悩みなら、使ってみてはいかがですか。

最後まで読んでお読みいただき、ありがとうございました。では、また!

フードの最新記事8件