【ブダペスト】街の特徴と観光スポット・旅の基本情報も紹介!

ブダペストはハンガリーの首都で「ドナウの真珠」と呼ばれるほど美しく、町全体が世界遺産にもなっています。

「ブダペスト観光はつまらない」なんて声も聞かれるのですが、果たして真相は?

今回は、フランクフルトから旅したい街シリーズ第1弾として、「ブダペスト」の特徴や観光スポットのほかに、旅の基本情報もコンパクトにまとめて紹介します。最後に、実際にブダペストを観光したときの感想や観光の注意点も併せて書きましたので、ご旅行前に読んでみてください。

【こんな人におすすめ】
‣ブタペスト観光に興味のある方
‣フランクフルトから行ける観光地を知りたい方
‣日本からのお客様にヨーロッパの魅力を伝えたい方
‣高齢のお客様でも楽しめる観光地を知りたい方

「ブダペスト」の特徴とは?

ドナウの真珠と呼ばれるほどの景観の美しさ

ハンガリーの首都ブダペストは「ドナウの真珠」と呼ばれるほど景観が美しく、町全体が世界遺産にも登録されているほどです。ブダペストに到着したら、中世建造物が残る街並みを散策してもいいのですが、ぜひ高台にのぼり、ブダペストの街を一望してみてください。様々な観光名所がライトアップされる夜景も必見です。

「ブダ」+「ペスト」が合併して「ブダペスト」

「ブダペスト」とは、「ブダ(Buda)」と「オーブダ( Óbuda)」と「ペスト(Pest)」と呼ばれた3つの市が1873年に合併してできた街です。それぞれの市の頭文字をとり、「ブダペスト(Budapest)」となりました。

ブダ地区はドナウ川の西側にあり丘などもある起伏のある地形です。一方ペスト地区はドナウ川の東側になり平地になっています。

ブタペストは温泉の街としても有名

ハンガリーは温泉大国で、全土に1000カ所以上の温泉の源泉があります。ブダペストにも温泉があり、市内では ルカーチ(Lukács)温泉やセーチェニ(Széchenyi)温泉が有名です。せーちぇに温泉では3カ所ある露天風呂から眺める独特な建物はネオバロック様式で、日本の温泉とは一味違う温泉を楽しめるでしょう。

【温泉に行くときに水着を忘れずに!】

もしも温泉に行く予定のある方は、水着を持参することを忘れないでください。ヨーロッパの温泉で裸で入浴することはほとんどなく、水着を着て入浴します。温水プールをイメージしていただけるといいでしょう。
また水温は約38度と低めなので、ビーチサンダルやバスローブがあると◎
日本の温泉とはだいぶ趣が違うので、異国体験としておすすめです。

ブダペストの観光スポットは?

ドナウ川の西側「ブダ地区」にある観光名所

「王宮」Budavári Palota

ブダ地区にある「王宮」は中央にドームがあるバロック様式の宮殿です。ただ、バロック様式になる前には、ゴシック様式、次にルネサンス様式へと改築された歴史があります。13世紀にベーラ4世が創建しましたが、16世紀にはトルコ軍によりほぼ全壊され、17世紀にバロック様式に改築されました。その後も大火などによる被害を受けて、現在の姿に修復されたのは1950年代のことです。

現在では、宮殿以外の建築物は、国立美術館、ブダペスト歴史博物館、セーチェニ国立図書館として利用されています。

「漁師の砦」Halaszbastya

人目をとらえて離さない白亜の塔が印象的な「漁師の砦」。「漁師の砦」はブダの王宮がある同じ丘で、王宮とは反対の位置に建てられています。その白石による砦は城壁の一部でありながら、まるで別世界に訪れたような印象をもたらしてくれる見逃せない観光スポットです。ベスト地区を一望できる絶景スポットにもなっているので、ぜひ訪れてみてください。

川沿いにあるわけでもないのになぜ「漁師の砦」と呼ばれているのかというと、かつてここに魚市場があったからだとか、この地を漁師組合が守っていたからなどと諸説あり、詳しい名前の由来はわかっていません。

「マーチャーシュ教会」Mátyás-templom

「マチャーシュ教会」はゴシック様式のカトリック系の聖堂で、正式名称は「聖母マリア聖堂」です。そのマジャル様式の屋根がひときわ目を引きます。

「漁師の砦」の向かいに建つこの教会は13世紀にハンガリー国王ベーラ4世によって建造され、15世紀にマーチャーシュ1世によりゴシック様式に改築されたことから「マーチャーシュ教会」と呼ばれるようになりました。

ステンドグラスが映えるマーチャーシュ教会では、かつて政治的な行事が行われていて、1867年には「シシィ」の愛称で親しまれている皇妃エリザベートが夫の皇帝フランツ・ヨーゼフとともに戴冠式を行いました。

「マジャル様式」とは

「マジャル様式」とは、色彩豊かなジョルナイ製のタイルで装飾されるスタオイルのことです。19世紀にハンガリー独自の建築様式を確立した建築家レヒネル・エデンによって生み出されました。

マジャル様式は、マーチャーシュ教会以外にも、旧郵便貯金銀行や工芸美術館でも用いられています。

王宮の丘の地下迷路

王宮の丘まで行き少し時間があったのなら、地下迷路に行ってみてはいかがでしょう。王宮の丘には数えきれないほどの洞窟があり、これまでワインケラーや監獄などに利用されてきました。現在ではその一部が公開されているので、冒険心をちらつかせながら見学するのがおすすめ。

「ハンガリー国立美術館」Magyar Nemzeti Galéria

ハンガリー美術を楽しむなら国立美術館に行きましょう。ルネサンス期のハンガリー美術から、ムンカーチ・ミハーイやメルシェ・パール、ロツ・カーロイなどの美術品を所蔵しています。
ハンガリー美術の巨匠として知られるムンカーチ・ミハーイは、美しい風景画もたくさん描いているのですが、彼の代表作と言えばキリスト三部作『ピラトの前のキリスト』『ゴルゴダ』『エッケ・ホモ』です。大胆な構図とその場にいたかのような劇的な描写に目を奪われる作品です。

ハンガリー美術以外にも、中世からゴシック、バロック期に至る美術品、総数約7万点もの作品を収蔵している美術館です。

ドナウ川の東側「ペスト地区」にある観光名所

「くさり橋」Széchenyi Lánchíd 

ブダペストといったら「くさり橋」と言っていいほどのシンボル的な存在で、夜にライトアップされると光が鎖のようにつながっていることから「くさり橋」と名付けられました。「くさり橋」はたっぷりと水をたたえたドナウ川にかかり、王宮のあるブダ地区と商業地区となるペスト地区を繋いでいます。正式名称は「セーチェニのくさり橋」と言い1849年に完成しましたが、「セーチェニ」とはこの橋の設計を計画したセーチェニ伯爵の名前が由来です。

夜景が美しいことで知られるブダペストの夜景をチャーミングに引き立てている「くさり橋」。昼間よりも夜に行くことをおすすめします。

2023年1月現在は工事中なので、残念ながら「くさり橋」はライトアップされていませんでした。タクシーの運転手は2023年内に工事が終わればいいけど…と、茶を濁す始末。地元のタクシー運転手も工事完了がいつになるのかは知りませんでした。2023年以内にブダペストに旅行を計画中の方は、くさり橋の工事が終わったかどうかをチェックすることも忘れずに。

「国会議事堂」Országház

ドナウ川の川岸に建つ国会議事堂。まるで中世のお城のような佇まいはゴシック・リヴァイバル様式で、1904年に完成しました。ライトアップされた国会議事堂も必見で、その際には川向う、つまりドナウ川の西側ブダ地区から見るのがおすすめです。

「ゴシック・リヴァイバル様式」とは

「ゴシック・リヴァイバル様式」とは、ルネッサンスから19世紀にかけて、従来の古典主義に対抗して出てきた建築様式です。積極的にゴシック様式を取り入れたのが特徴で、国会議事堂のほかにも、駅舎などの公共建築や聖堂建築でも流行になりました。

「聖イシュトヴァーン大聖堂」Szent István-bazilika

ペスト地区の中心部に位置する「聖イシュトヴァーン大聖堂」は、ブタペスト最大のルネッサンス様式の聖堂です。収容人数は8000人で、ドームの高さは96mにもなります。聖堂内部の彫刻や金の装飾を施した天井のフラスコ画など豪華絢爛、見どころ満載の聖堂です。

ここまで豪勢に教会を仕上げたのは、ハンガリーに初めてキリスト教を伝えた初代国王イシュトヴァーン1世の指示によるもの。この教会を作ることで宗教的な意味合いだけでなく、政治的な意味合いも伝えたかったのではないかと憶測してしまいます。正面の祭壇を正面にして右翼には、キリスト教を熱心に布教したことの象徴としてイシュトヴァーン1世の右手のミイラが展示されています。

有料ですが、展望台まで上がると、ブタペストの街全体を眼下に見ることができるので、聖イシュトヴァーン大聖堂を訪れたら、ぜひ上がってみてください。ブダの王宮などの数々の観光名所が見られるだけでなく、街の規模もわかり必見です。

「英雄広場」 Hősök tere

ハンガリーの建国に献身した王などの像が並ぶ「英雄の広場」。ハンガリーの建国の歴史を感じられる場所です。正面にはパリのシャンゼリゼ通りをモデルにしたアンドラーシ通りがまっすぐと伸び、街の根幹に来たなと思わせてくれます。

広場の中央には大天使ガブリエルの像がそびえ、その背後に弧を描くように広場を囲む大列柱の間には、初代国王のイシュトヴァーン王などの歴代の王が並んでいます

「ブタペスト国立西洋美術館」Szépművészeti Múzeum

英雄広場の正面左手にあるのは、パルテノン神殿のような支柱が印象的な「ブダペスト国立西洋美術館」です。ハンガリーの建国1000年を記念して1896年に着工、1906年に完成しました。内部はネオ・ルネッサンス様式に装飾されていて、建造物としての魅力も溢れています。

エステルハージ家のコレクションを中心に、ラファエロからレンブラント、ルーベンス、エルグレコにロラン、モネなど、13世紀以降の絵画や彫刻を所蔵しています。

ショッピングを楽しむなら「ヴァーツィ通り」Váci utca

ハイブランドから若者に人気のブランドまでそろうショッピングストリート「ヴァーツィ通り」。歩行者天国エリアには露店も出て、大勢の人で賑わいます。ハンガリーのワインや民芸品である刺繍製品の店もあるので、お土産を探すのにも最適な通りです。

中世の街並みも残されているので、ショッピングだけでなく、お散歩にも向いていますよ。

ブダペスト観光のおすすめの日数は?

ブダペストの観光日数は2日

ブダペストの観光にはぜひ2日は取っていただきたいです。それは、ブダペストの夜景を楽しんでもらいたいから。また、冬場は寒さが厳しいので、観光のベストシーズンは4月~10月です。

ブタペスト市内の移動はトラベルカードで楽

ブタペスト市内はバスやトラム、地下鉄などの公共交通機関が発達しています。観光には、トラベルカードの1日券「24-hour Budapest-travelcard」は2,500 HUF(約900円)が乗り放題になります。片道チケット8枚買うよりも元が取れるというチケットですが、バスや地下鉄に乗るたびにチケットを買う手間がなくなるというのは旅行者には便利です。

移動が多い観光日にはおすすめのチケットです。

ブダペストまでのフライト時間は?

東京からブタペストまでのフライト時間は約18時間

羽田と成田空港の両方を含む東京出発でブタペストまでは直行便が出ていないため、ターキッシュ・エアラインズやルフトハンザ航空などで1都市を経由してブタペストに向かいます。

乗り継ぎであまり待たずに行けた場合は、東京からブタペストまで約18時間です。

フランクフルトからブタペストまでのフライト時間は約1.5時間

フランクフルトからブダペストまでの移動は、飛行機で約1時間30分です。

電車でもウィーンでの1回乗り継ぎで行くルートもありますが、所要時間は約10時間です。
車だと走行距離は約970㎞で、走行時間は約9時間。

時間的に余裕がないのなら、飛行機での移動が良さそうです。

余裕を持ったプランで行きたいブタペスト

ブタペストの観光スポットを大急ぎで紹介しましたが、いかがでしたか。

観光の見どころも多いブタペストは、写真でもその街の美しさが伝わってくるのではないでしょうか。街並みを楽しみ、歴史的建築物を見学して、美術館でも時間を取りたい…となれば、ブタペスト観光には1泊はもちろんのこと、2泊はしたいところです。

ブタペスト市内の移動なら「トラベルカード」の1日券を使えば、バスや地下鉄など公共機関が乗り放題となるので便利。

古き良きヨーロッパの街を味わいにブタペストに行ってみてはいかかでしょう。

【ブダペスト観光を終えて…感想と注意点】
2023年1月に3泊4日でブダペストを観光したのですが、紹介した観光名所を巡りながら、途中でカフェに入りレトロなインテリアを楽しんだり、煮込み料理ばかりかとあまり期待していなかった食事もなかなかどうして口に合う食べやすいお料理が数多く並びました。
注意したいところは、タクシーを利用するとき。必ずメーターが動いていることを確かめるか、事前にホテルなどで目的までのタクシーの運賃を聞いておき、タクシーの乗車前に運転手としっかり値段交渉をしておいた方がいいところです。値段交渉に不安があるのなら、公共交通機関を使うのがおすすめ。24時間チケットなどを買ってしまえば、買う手間が少ない上に、料金も格安なので、ぜひご利用ください。

最後まで読んでくださってありがとうございました。