ウィーンは芸術遺産に建築遺産などが多くあり、シティ観光には最適な都市です。ぜひ見ておきたいと思う観光名所が多すぎて困ってしまいませんか。そこで、今回は、ウィーンで必ず見ておきたい・訪れておきたい観光名所を5つ選びました。
- シェーンブルン宮殿 Schloss Schönbrunn
- ホーフブルク王宮 Wiener Hofburg
- シュテファン大聖堂 Domkirche St.Stephan
- 美術史博物館 Kunst Historisches Museum Wien(KHM)
- ウィーン国立歌劇場 Wiener Staatoper
ウィーン観光に役立てていただけたら嬉しいです。
ウィーン観光でおすすめする観光名所とは?
シェーンブルン宮殿《Schloss Schönbrunn》
ウィーンの観光名所ナンバーワンに輝く「シェーンブルン宮殿」は、1996年にユネスコの世界遺産にも登録されたバッロク調建築の最高傑作です。
1638年から1643年にかけて、エレオノラ・ゴンザザ皇后のための皇居として建てられた宮殿で、その宮殿内を見学すれば、当時の華やかな生活を再体験できるのではないでしょうか。
「シェーンブルン」とは「きれいな湧き水」という意味
シェーンブルン(Schönbrunn)とは、きれいな湧き水という意味ですが、その由来は、1619年に皇帝マティアスがある湧き水を見つけて「なんて美しい湧き水だろう」と言ったからだとか。
冬には、シェーンブルン宮殿の敷地内でクリスマスマーケットも開かれます。
シェーンブルン宮殿のチケット売り場の行列を回避するヒント
- 【ホーフブルク王宮でシティチケットを購入】
もしも次に紹介するホーフブルク王宮も見学予定の方は、先にホーフブルク王宮を見学して、その際に「シティチケット」を購入しましょう。
シェーンブルン宮殿での入場が優先されるという特典が付いているので、シェーンブルン宮殿でのチケット売り場での行列を回避できるだけでなく、宮殿に待たずに入場できるというお得なチケットです。 - 【シェーンブルン宮殿のオンライン予約】
シェーンブルン宮殿の公式サイト(英語)から、入場券のオンライン予約ができます。ご自宅やホテルでゆっくりとチケットを購入できるうえに、時間の節約にもなるでしょう。ただしグランドツアーなどは時間を指定しなくてはいけないので、スケジュールに従って行動できる方におすすめです。
シェーンブルン宮殿公式HP内のオンラインチケット予約(英語)
「シティチケット」とは、ホーフブルク王宮の宮殿の見学チケットにあわせて、シェーンブルン宮殿の宮殿内を見学できるグランドツアーがセットになったチケットです。
Here you can find all the information for your visit to Schö…
ホーフブルク王宮《Wiener Hofburg》
ウィーンの中心部にある「ホーフブルク王宮」は、かつてはハプスプルグ家の居城であり、権力の中心でもありました。名だたる人物としては、マリー・アントワネットが住んでいた居城です。
13世紀に建てられた当時のホーフブルクは要塞だったのですが、数世紀の時を経て王宮へと発展していきました。中世の頃の面影を残すのは礼拝堂(Kapelle)のみで、それ以外は20世紀以降に増築された建物です。現在では、オーストリア大統領の公邸として利用されています。
王宮に囲まれた静かな庭園は、ウィーン市民にとっての憩いの場所にもなっています。
ホーフブルク王宮は世界で最も大きなコンプレックスの宮殿で、次のような観光名所があります。
- 皇帝の部屋(Kaiserappartments):当時の華やかなハプスプルグ家の私生活を覗き見ることができる
- シシィ博物館(Sisi Museum):シシィの愛称でいまでも人気の高い皇帝エリザベートが過した部屋などを見学しながら、彼女の私生活を見ることができる。
- 王宮宝物館(Schatzkammer):ハプスプルグ家の財宝や神聖ローマ帝国の王冠など数々の宝石を鑑賞できる
- スペイン乗馬学校(Winterreitschule):歴史ある乗馬学校の調教やパフォーマンスの見学ができる。なお見学チケットは有料で、調教が約15€、パフォーマンスは約35€。
- アルベルティーナ美術館(Albertina Museum):ハプスプルグ家の邸宅が美術館となっているアルベルティ―ナ。豪華な装飾で着飾られた室内で、デューラーの「野兎」や「祈る手」のほかに、クリムトやシーレ、さらにモネやピカソの現代絵画まで鑑賞できる。
- バタフライハウス:アールヌーボー調のガラス作りの家で、蝶々が舞う。
「シシィ」とは「自由を求めた美貌の女王」
オーストリア史を語る上で、外すことのできない女王が「シシィ(Sissi)」です。「シシィ」とは、オーストリアの皇帝エリザベート(1837~1898年)の愛称で、宮廷での厳格な生活から自由を夢見て行動していくという数奇な生涯を遂げた女王として今でも注目を集めています。シシィの生涯をミュージカルにした『エリザベート』も世界各地で上演されて好評でした。
シシィはその美しさでも注目を集めた人物でしたが、彼女の美貌は自然に生まれたわけではなく、彼女の美への努力によって叶えられたものでした。例えば、食事を控えめにしてスポーツをたくさんしたと言われています。運動量が多く、シシィが愛用した数多くのスポーツ器具も残されています。
シシィはもともと貴族ヴィッテルスバッハ公爵家の子孫としてバイエルンで生まれました。自由で開放された環境で育てられましたが、オーストリア皇帝フランツ・ヨーセフ1世と結婚してからは、シェーンブルン宮殿で暮らします。しかし、宮廷での生活は窮屈で、伝統を重んじる生活はシシィにとって退屈であり、苦痛でもありました。
自由への渇望から、夫に浮気相手の女優をあてがったほどです。そして自らは旅行をするなどの奔放な一面もあったのですが、その一方で母として側面もありました。子どもたちを大切に育てたからこそ、息子の皇太子ルドルフが男爵令嬢マリー・ヴェツェラと心中自殺を遂げたときには大変なショックを受けました。シシィは死ぬまでの10年もの間、息子のために喪に服して黒い服しか着なくなりました。それと同時に、死への憧憬も抱くようになりました。
シュテファン大聖堂 《Domkirche St.Stephan》
シュテファン大聖堂は、ウィーンのシンボルともいえる存在感のある教会です。外観はロマネスク様式とゴシック様式が見られますが、その内部はバロック様式です。格子柄の床に、曲線を活かした壁面には、細かな細工が施された調度品の数々が飾られていて、重厚な趣があります。
4つの塔のうち、最も高い南塔は約136mあり、343段の階段を上った先にはウィーンを眼下に眺めることができます。そんなにたくさんの階段を上りたくない方は、北塔へどうぞ。ヨーロッパ最大のフリースイングベルのひとつである「プメリン」が吊るされている北塔には、エレベーターで上がることができます。
シュテファン大聖堂は、ウィーンの中心部にあり、この大聖堂から南に続くケルントナー通りでカフェやレストランを楽しみ、また西へ続くグラーベンにもお店が立ち並んでいます。ウィーンの街の散策の拠点として、または待ち合わせ場所としてもシュテファン大聖堂は良い目印になるでしょう。
美術史博物館《Kunst Historisches Museum Wien(KHM)》
古代から現代まで主要なアート作品すべてをコレクションしたと言っても過言でもないほどのバラエティ豊かな所蔵品を誇る「美術史博物館」。この博物館は、ハプスプルグ家が収集した芸術品を納めるために建設されました。その建物自体も美術品としての価値があるほど煌びやかです。
工芸品のコレクションには、古代エジプトから古代ギリシャ、ローマのコレクションが充実しています。象牙の彫刻品に時計や武器、黄金の2人の人物が向き合っている置物が目に入ったら、それがチェッツリーニ作の「サリエラ」です。この美術館の目玉ともいえる芸術品で、お塩を入れるための入れ物だと聞いたら驚かれるのではないでしょうか。
絵画のコレクションでは、ブリューゲル作の絵画の最大のコレクションを保持しています。繊細な風景に溶け込むように当時の人々の暮らしぶりの事細かい描写が特徴的な、ブリューゲルの絵画。『バベルの塔』や『子供の遊戯』などの傑作が揃っています。
ほかにも、デューラーやルーベンス、レンブラント、ベラスケスの作品に、日本でも人気のフェルメール絵画も展示されています。
階段の踊り場にはクリムトが手掛けた壁画も
美術史博物館は展示品だけでなく、その建造物にも目を止めてみましょう。階段の踊り場の壁画は、ミハーイ・ムンカーチ、ハンス・マカルト、フランツ・マッチュに加えて、グスタフ・クリムトも制作に携わっています。クリムトの壁画が階段の踊り場を飾っているのは貴重で、クリムトファンは必見です。
クリムト作の壁画は、階段踊り場の黒と白の石柱の間で上部にあります。
丸天井ホールのカフェも印象的
またこの博物館のカフェもなかなか魅力的です。大理石で囲まれた丸天井のホールの下にあるカフェは、博物館の中心にあります。その広々とした空間は数多くの芸術作品を観終わった後の憩いの場所として、また待ち合わせ場所としても気持ちのいい空間です。
ウィーン国立歌劇場《Wiener Staatoper》
「ウィーン国立歌劇場」は、装飾性の高いオペラハウスとして名高いだけでなく、シーズン中の公演数も多いのが特徴的な劇場です。ウィーンが音楽の都と呼ばれるだけのことがある屈指のオペラハウスで、オペラやバレエのチケットも数カ月前に売り切れになることも珍しくありません。
ウィーン国立歌劇場にお出かけの際はドレスコードはありませんが、ナイトドレスで訪れる観客も多く、その場の雰囲気を壊さない意味でもラフすぎない格好を心がけましょう。
ライトアップされた姿が美しい「ウィーン国立歌劇場」
もしもウィーン国立歌劇場での公演を観るのではなく、その外観を楽しみたいのなら、夜に歌劇場に行ってみましょう。ライトアップされたウィーン国立歌劇場は、その荘厳さに磨きがかかり、日中に見る以上にその美しさを堪能できるでしょう。
Als eines der international bedeutendsten Opernhäuser blickt…
ウィーンの旅情報を日本語で探したいのなら…おすすめサイト
ウィーンの旅情報を日本語で探したいのなら、ウィーンのツアリスト・インフォメーションの公式サイトとオーストリア政府観光局の公式サイトです。どちらも日本語で読めますので、参考にしてみてください。
ウィーンのツアリスト・インフォメーションの公式ホームページ(日本語)
観光名所が多いウィーンは、多くの観光客が世界中から訪れます。私もそんな一人ですが、ウィーンに行ったら「これだけは外せない!」と思うことが、全部で3つあります。それは… ベルヴェデーレ宮殿でクリムト作品を見る ウィ[…]
ウィーンの旅は日数を確保して
ウィーン観光の見どころを厳選してご紹介しましたが、いかがでしたか。ウィーンは紹介した観光名所以外にも、ベルヴェデーレ宮殿やウィーン自然史博物館、ペーター教会など見どころがたくさんあります。
また贅沢が許されるなら、美術館や宮殿などはゆっくりと時間を過ごしたいところ。
もしもウィーンに観光に訪れる機会があったのなら、滞在期間は長めに取られてはいかがでしょうか。ゆっくりと時間を過ごして、音楽の都を楽しまれてください。
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