ドイツ人の義母から教わった「さくらんぼ入りのチョコレートケーキ」のレシピ。彼女の家でごちそうになった時には、おいしいと思いました。
でも「あのおいしさを再現したい」という気持ちは変わらず…。そこで、ドイツレシピをアレンジして、砂糖やバターを控えめにしてケーキを作ってみたのですが、ちょっと思うことがありました。
甘いケーキも必要なのかも、と。
今回は、「さくらんぼ入りチョコレートケーキ」のレシピと、このレシピを使ったケーキを家族と食べたときのエピソードを紹介します。そして、どうして甘いケーキもアリかも?と思った、国際結婚したパートナーとの関係についてもお伝えしたいと思います。
日本のケーキは甘さ控えめ
日本のケーキは甘さを控えめにレシピが調整されているように思います。店頭で買ってきたスイーツもしかり、クッキングブックに載っているレシピもしかり。
それを実感するのは、ここドイツでケーキを食べる時です。
買ってきたケーキを食べるとき、ネット上で見つけたレシピ通りに作ったケーキを食べるとき。いつでも思うことは、「甘い」ってことなのです。
たまに甘すぎないケーキに出会うと、「あら、変な感じ」と口をついて出てきます。
「さくらんぼ入りチョコレートケーキ」のレシピ
「Schattenmorelletorte」
義理の両親の家で、美味しいケーキをごちそうになりました。「さくらんぼ入りのチョコレートケーキ」です。
ドイツ名は「Schattenmorellentorte」。
「シャッテンモレレ(Schattenmorelle)のケーキ」ということですが、「シャッテンモレレ」とはサワーチェリーの一種です。日本で手に入るサクランボよりも酸味の強いサクランボで、シロップ漬けにしたものをケーキなどのお菓子作りによく使われています。
お店では、果物の缶詰などが置いてある棚を探してみてくださいね。
「シャッテンモレレ(Schattenmorelle)ケーキ」のレシピ
「このケーキ美味しい!」と言ったところ、義母が早速、レシピをくれました。
そこで、私なりに調整した「甘さを控えめにしたカロリー抑えめレシピ」を紹介します。「オリジナルのレシピ」も載せておきますので、比べてみてくださいね。
私がどの程度、甘さを抑えたのかを参考にしてみてください。
「シャッテンモレレ(Schattenmorelle)のケーキ」の材料
(26㎝Øのケーキ型:約12切れ分)
材料 | カロリー控えめの分量 | オリジナルレシピの分量 |
無塩バター | 170g | 200g |
砂糖 | 170g | 200g |
卵 | 3個 | 4個 |
ビターチョコレート | 100g | 100g |
スライス・アーモンド | 80g | 125g |
小麦粉 | 125g | 125g |
ベーキングパウダー | 小さじ1 | 小さじ1 |
シナモン | 小さじ1 | 小さじ1 |
※サワーチェリー | 300g | 300g |
※「シャッテンモレレ(Schattenmorelle)」が家になかったので、代わりに「サワーチェリー(Sauerkirsche)のシロップ漬け」を使いました。
ケーキ作りにお馴染みの「サワーチェリーのシロップ漬け」。あるwebサイトで「シャッテンモレレ」の代わりになると書かれていました。義母が作ってくれたケーキとそん色のないできあがりでした。
「シャッテンモレレ(Schattenmorelle)のケーキ」の作り方
- バターを室温に戻します。
- チョコレートをナイフで細かく削ります。
- ボウルに卵を割り入れて、砂糖を少しずつ加えながらハンドミキサーで混ぜ合わせていきます。
- バターを③に入れて、さらにハンドミキサーで混ぜます。
- 小麦粉とベーキングパウダーを④に入れて混ぜ合わせます。
- 削ったチョコレートやスライス・アーモンド、シナモンを⑤に入れて混ぜた後、最後にシロップを切ったサワーチェリーを入れて混ぜます。
- ケーキ型に入れて、180度に温めておいたオーブンで約60分焼きます。
賛否分かれたケーキ評
主人と次女はおいしいと言ってくれた
仕上がりからすると、義母が焼いてくれたケーキとそん色のない仕上がりです。
このカロリー抑えめレシピで作ったケーキを食べたドイツ人の主人は、最初の一口を食べて「おいしい!」と言った後、寡黙に食べ続けて、あっという間に2切れ目に突入。
よほどおいしかったのか、お皿の上のケーキだけを一心に見つめたまま食べていました。
次女も気に入ってくれたようで、「おいしい」と何度か言いながら、その間、ずっと口がもぐもぐと動いていました。
長女の反応は…
一方、長女の反応ですが、「うん、甘いね」と一言。でも「おいしい」と。
そんな彼女にとって、このケーキは「甘すぎる」ようで、でもおいしいことには変わりなく、半分だけ、あと少しだけと、結局、1切れを平らげたのでした。
やっぱり甘いと思えるケーキだった
私も食べて思いましたが、もっと砂糖を減らせるなと思いました。まだまだ甘さがそれなりあるケーキです。
甘すぎるといった長女もしっかりと1切れ食べてくれましたし、私の主人と次女にいたっては満足できる最高のケーキだったようです。
甘いケーキは必要かも?
甘いケーキは母の味?
ドイツのレシピは甘すぎるので、砂糖を控えめにして焼くのが常でした。でも、今回のケーキに関してはいつもと違う考えがよぎりました。
私が覚えている限り、主人は私が焼いたケーキに文句を言ったことはなかったように思います。
そのように思った理由は、彼のケーキの食べっぷりを見たからです。あの一心不乱で食べる様子を見ていたら、甘いケーキも必要なのかもしれないと思い始めました。
満足できる食
私にとっての普通は、彼にとっての普通ではない。一緒にいる限り、相手に寄りそったこともしてあげることも大切だという思いにいたりました。
そこで今回の教訓。
ドイツ人の彼のために、ドイツの甘いケーキを4回に1回は焼こう、かな。
4回というのは、ひと月に日曜日はほぼ4回あるので、月に1回くらいは甘いケーキをがあってもいいのかなということです。毎週ケーキを焼いているわけではありませんので、頻度としてその程度という意味です。
正直に言えば、ドイツのレシピの砂糖やバターの量を見てしまうと、ケーキを焼く手が止まってしまうのですが、ドイツ人の食習慣において「とても甘いケーキ」が「普通」なら、これを作ってあげるのも妻の務め(⁈)なのかもしれません。
おいしいケーキに文化の違いあり
ドイツのケーキは甘いな、甘すぎるなと思うことが多いのですが、ドイツ人の主人にとってはその甘さが必要なのかもしれません。
わたしもドイツのケーキをおいしいと思います。
ですから、時には、甘さを調整しないドイツのオリジナルのレシピでケーキを焼いてもいいのかと思っています。
でも、ケーキを焼く回数4回のうち1回…。
それ以上は、ちょっと勇気がいるなあ。
今回は、国際結婚で異文化の差を埋めるには甘いケーキも必要かも、というお話でした。
最後まで読んでくださりありがとうございました。