「Nachhilfe」の意味とは?授業形態や料金の相場・Nachhilfeをおすすめするケースも紹介

ドイツ語の「Nachhilfe」とは「補習授業」のことで、「補習塾」という意味でも使われます。小学校から大学までの生徒・学生を対象に、成績を上げるためや、授業の内容をよりよく理解するために利用されています。

今回は、Nachihilfeの意味やどのような授業が行われていて、その授業形態や料金、Nachhilfeのイメージの新旧の違いなども紹介します。またNachhilfeの利用をおすすめするケースも紹介しますので、参照にしてみてください。

「Nachhilfe」の意味や語源とは?

「Nachhilfe」とは「補習授業」または「補習塾」のこと

「Nachhilfe(読み:ナフヒルヘ)」とは「補習授業」のことです。小学生から大学生までを対象に、学校でわからなかったことをわかるようにするための授業です。

もともと「Nachhilfe」は、子どもたちが学校から持って帰ってくる宿題を親が手伝うことという意味でした。しかし、現在では「Nachhilfe」は有料で行われる補習授業のことを指して、家庭教師として自宅で行うケースや、Nachhilfe専門の塾もあります。そのため、「Nachhilfe」が「補習塾」という意味で使われることもあります。

「Nachhilfe」にはネガティブなイメージもあった

最近の「Nachhilfe」は補習授業を行うだけでなく、補習以上の授業を提供しているNachhilfeもあります。かつて「Nachhilfe」と言えば、成績のよくない科目を集中して勉強して成績を上げるための補習授業だという思われていました。世代が上の方には、「成績が悪い子が行くところ」というネガティブなイメージを持っている方も少なくありません。

しかし近ごろの「Nachhilfe」では、学校の授業の補習授業を行うだけでなく、外国籍の子どもたちがドイツ語を学ぶための場であったり、アビトゥーア(Abitur)の準備としてNachhilfeが利用されることもあり、そのイメージが変わってきました。

「Nachhilfe」は「Nachhilfeunterricht」の略語

「Nachhilfe」はそもそも「Nachhilfeunterricht」や「Nachhilfestunde」を略した言葉です。「Nachhilfe」は「補習すること」という意味で、「Nachhilfeunterricht」の場合は「Nachhilfe」の後に「授業」を意味するドイツ語「Unterricht」が連結しています。

一方、「Nachhilfestunde」は「Nachhilfe」の後に、「時間」という意味から派生して「授業」の意味もある「Stunde」がついています。

「Nachhilfe」の語源「nachhelfen」には「よく機能する」という意味も

「Nachhilfe」という言葉はドイツ語で動詞の「nachhelfen」をもとに生まれました。この「nachhelfen」には「誰かの助けによってよく機能するようになる」という意味があります。つまり「Nachhilfe」は、「補習塾の助けを借りて、学校の授業内容をよりよく理解できるようになる」という意味が込められています。

ドイツに進学塾はない

「Nachhilfe」は補習塾だと紹介しましたが、誤解を恐れないで言えば、日本にあるような進学塾はドイツにはありません。

勉強は学校で学ぶものという考え方がドイツで定着しているだけでなく、日本の学校のように入学試験がないため、進学塾という発想も生まれません。ただし最終試験のアビトゥーアでより良い成績を取るために、Nachhilfeが利用されることはあります。

「Nachhilfe」の形態・授業形式・料金とは?

「Nachhilfe」の先生は専門講師から学年上の先輩まで

Nachhilfeで授業をしている先生には、Nachhilfeを専門としている講師から引退した元教師、学生などさまざまです。同じ学校に通っている学校の先輩ということもあります。1970年代ごろから私塾としてのNachhilfeが盛んになりました。

「Nachhilfe」の授業形態は少人数制

Nachhilfeで行われているグループ授業では、3人から6人ほどの生徒数という少人数制がほとんどです。
授業の内容は、宿題をすること以外に、ドイツや数学、英語などの主要教科の補習です。小さなクラスだから、先生が生徒の学力に合わせた授業を行いやすくなっています。

「Nachhilfe」の授業の相場料金は約20€

「Nachhilfe」は有料制の補習塾です。ドイツにある公共の学校の教育費が無料なのに対して、Nachhilfeは私塾となり料金がかかります。

1回の授業の相場料金は、1対1の個人授業なら約1時間で10€~30€です。経験のあるなし、年齢などから最終的な料金が決まります。また家庭教師として自宅に来てもらうときには、交通費も支払うことになる場合が多いでしょう。

オンラインによるNachhilfeでは、対面式よりは比較的安い価格設定がされていることが多いでしょう。

Nachhilfeをおすすめするケースとは?

子どもの成績を上げたい時

子供の成績に納得がいかないとき、成績を上げたいと思うときに、Nachhilfeが利用されるケースが多いでしょう。また、成績に反映されていなくても、子どもが授業についていけないと思われるとき、子どもが授業の内容がわからないと言っているようなときも、Nachhilfeを利用することを検討してもいいでしょう。

長期療養後や引っ越したとき

病気により長く学校を欠席していたときにNachhilfeを利用される方がいます。学校では長期療養などを理由にして受牛に出ていなかった生徒が、学校に細かなアフターフォローを期待するのはドイツでは難しいと思われます。

また、引越しを機に転校した際、学習内容が違うことがあります。各学年の学習要綱は全国で統一されているはずなのですが、学校によってその進度が違うケースがよく見られます。そのようなときに転校先での授業に1日でも早く追いつくために、Nachhilfeは強い味方になってくれるでしょう。

まとめ

Nachhilfeとは補習授業のことで、家庭教師に来てもらったり、Nachhilfeを行う補習塾に通ったりして授業を受けます。Nachhilfeを利用するケースはさまざまで、学校の成績を上げたいという典型的な理由以外にも、授業についていきにくい時や、長期療養などの理由からまだ学習していない場合や理解度が低い場合などです。

かつては勉強ができない子、成績が悪い子が行くところという悪いイメージが「Nachhilfe」にはありましたが、最近では、授業内容をより理解するためにNachhilfeを利用するケースも出てきていて、その悪いイメージが徐々に良くなり始めています。

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