【ドイツの成績表(Zeugnis)】「Arbeitsverhalten」などの用語解説・成績が悪い時の対処法

ドイツの学校で子どもたちがもらってくる成績表を見たとき、各教科の成績をつい目に留まってしまいますが、その上に「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の文字が。この二つはどのようなことを評価しているのでしょうか。

この記事では、ドイツの成績表にある「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の意味を解説します。また、「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の総称である「Kopfnote」の意味や語源に併せて、「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の成績が悪い時の対処法も紹介します。

「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の意味とは?

「Arbeitsverhalten」とは「授業・学習の様子」を意味する

「Arbeitsverhalten」とは「授業・学習の様子」を意味します。宿題をしてきたかどうか、発言ができたかどうかなどに対する評価で、どれだけ先生が要求するものに応えられているかが焦点になります。

ドイツの教育では、自宅で親が子供の勉強の面倒を見る習慣があることから、子どもが宿題をしているかどうかは親の責任だという見方があります。そのため、Arbeitsverhaltenの評価は子どもに対してだけでなく、親の自分の子どもへの教育のかかわり方についての評価だとも言えます。

Arbeitsverhaltenの評価の対象

  • 授業中の学習意欲と協調性
  • 目標をもって授業に参加していること
  • 自主性
  • 勤勉さと忍耐
  • 信頼性

「Sozialverhalten」とは「学校での生活態度」を意味する

「Sozialverhalten」とは「学校での生活態度」の意味です。Sozialverhaltenでいい評価が付くには、友だちとケンカや対立が少なく、もしもケンカをしたとしても解決できることなどが評価されます。友達とのいざこざがない代わりに、クラスで目立たない生徒もSozialverhaltenでいい評価がつけられることがあります。

Sozialverhaltenの評価の対象

  • 人とけんかや対立したときの対応力
  • ルールを守れること
  • 公平性
  • 助け合えて、人の役に立つこと
  • 尊敬すること
  • 人との協調性

「Kopfnote」の意味と語源とは?

「Kopfnote」とは各教科の成績以外の評価のこと

「Kopfnote」とは各教科の成績以外の評価で、授業での様子や学校での生活態度についての評価です。日本の小学校の成績表なら、「行動の記録」や「学習の様子」などと題した項目で似ているのではないでしょうか。

「Kopfnote」は、学校の成績表の「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の2項目をのことを指しています。

「Kopfnote」の成績のつけ方

「Kopfnote」は、一般的には各教科の先生がKopfnoteの評価を出し、それをもとにカンファレンスで最終的に評価がつけられます。各教科の成績と同じく、1~6の6段階です。1が最も良いと評価された成績で、数が大きくなるにつれてその評価が下がります。

「Kopfnote」の語源は成績表の上部に記載されることから

なぜ「Kopfnote」と呼ばれるのかというと、「Kopfnote」は成績表の上部に記載されるからです。「Kopf」とはドイツ語で「頭」という意味ですが、この場合の「Kopf」の意味は「上の方」のことです。一方、「Note」は「成績」を意味しています。

「Kopfnote」の成績が悪い時の対処法とは?

学校からの警告だと捉えよう

「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の成績がよくないということは、今のうちに授業中の態度や学校での生活を改善しようという学校から子どもへのメッセージだと捉えましょう。

「Arbeitsverhalten」の成績がよくないのならば、宿題をしているか、それをちゃんと学校に持っていき授業中に提出しているかを確認する習慣をつけるようにしたり、忘れ物がないように親も確認したりするようにします。

また「Sozialverhalten」の成績がよくないときは、子どもに学校での様子を聞き、お友だちと上手くいっているのかどうかなどを聞いてみます。上手くいっていないようであれば、その問題を解決できるように取り組む必要があるかもしれません。

「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の成績がよくないからと言って子どもをしかりつけることなく、問題となっていることを明らかにしてその解決策を見つけるようにしてみましょう。

先生との面接や「Blauer Brief」をもらうことも

担任が「Arbeitsverhalten」と「Sozialverhalten」の成績がわるく、それを学校側が重く見ている場合には、担任と面接をすることがあります。またさらにひどいケースだと、「ブルーレター(Blauer Brief)」と呼ばれる手紙を学校から受け取る場合があります。この「ブルーレター」とは俗称なのですが、この手紙には該当の生徒は転校しなくてはならないことなどが記されています。

先生との面接やブルーレターを受け取った場合でも、慌てることなく学校側と話し合いを持つなどして解決策を探ることができます。

もしも自分のお子さんの成績のことで困ったことがあったのなら、躊躇せずに担任と連絡を取るようにしたほうがいいでしょう。

まとめ

「Arbeitsverhalten」は学校での授業の様子や態度に対する評価で、「Sozialverhalten」は授業以外での学校での生活態度に対する評価です。この総称が「Kopfnote」であり、成績表の各教科の評価の上に記されています。成績が良いことに越したことはありませんが、もしもよくない場合はそれが学校からの警告だととらえて改善できることを探してみましょう。また親子で話し合っても対処の仕方が見つからないときなど困った場合には、担任と連絡を取り早めに対処するようにしてみましょう。

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